2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

THE ROOTS

The Rootsの『do you want more?!!!??!』、『illadelph halftime』、 『things fall apart』、『THE ROOTS COME ALIVE』を聴く。 ブラック・ミュージックに初めて接したのはヒップホップだった。 そのせいか、今となってはそれ程好きでも興味があるわけでも…

『Sound Concierge 401 “Do Not Disturb”』, Selected and Mixed by Fantastic Plastic Machine, 2004

こんなMix CDが欲しかった! Remix CD ならぬ、Mix CD。 つまり、DJがクラブで実際につないでいるのを再現したCDである。 クラブが踊る場所ということもあり、これまでのMix CDは、 ハウス、テクノ、ヒップホップなどジャンルに関わらず、 どうしても踊るた…

『超ボブ・ディラン入門』、中山康樹、音楽之友社、二〇〇三年

今度はボブ・ディランだ。 中山康樹の執筆の動機・スタンスは、 ほぼビートルズについて書くときと同じであり、 『音楽家』として素晴らしい彼らを、『メッセンジャー・思想家』として 神格化・絶対化し、持ち上げることでその『音楽』が聴かれなくなること …

『泥の川』、監督 小栗康平、1981年、原作 宮本輝

深夜の衛星放送でやっていたのでついつい観てしまう。 詳しく感想を書くことは出来ないが、これも面白く観た。 俳優では、若き蟹江敬三や加賀まりこが出演していて面白かったが、 中でも藤田弓子が生活感溢れる妻を演じており、とてもよかった。 これは加賀…

『江口寿史の爆発ディナーショー』、江口寿史、双葉社、1991年

江口寿史作品の中で、不思議とこれだけ読んでなかったのが、 偶然近所のブック・オフで出会ったので購入。 全て4ページの「超短編」で構成されているギャグマンガだが、 各短編は確固とした批評性に支えられており、大いに楽しむ。 期待以上であり、思わぬ…

『ビートルズで英語を学ぼう』、林育男、講談社文庫、1984年

あまり否定的なことは言いたくないのだが、備忘録として記しておこう。 題名通り、ビートルズの歌詞や発言、 ビートルズのメンバーのソロ活動の音楽の歌詞の英語を教材に、 英語を学ぼう、という本である。 何かの足しになれば、と思い読んでみたのだが、 足…

『佐藤さんの本』、丹羽基二・牧野恭仁雄、浩気社、二〇〇五年

忙しい中、こんな本を読んだ。 題名通り、「佐藤」という苗字について、 その由来、家紋、道府県別人口割合、人名辞典などが集められている。 帯の惹句、 「全国200万人の佐藤さん、あなたの本が出ました!」 「この一冊で、佐藤姓の<系譜><家紋><名付…

「クラブミュージックについて」(藤本一馬)

クラブミュージック― ―それはもちろんダンスミュージックを意味するのだけれど、 僕にとってのクラブミュージックは、「ダンスミュージック的な側面」と、 「今までに聴いたことのない新しい音楽という側面」との二つがあります。 それは、かつてのジャズが…

『Dynamite』、Jamiroquai、2005年(2)

(昨日の続き)A……Auggie, O……Oh!矢(Auggieの知人) O:でも、僕は結構好きだよ? このアルバム。 A:僕も嫌いじゃないですよ、悪くないと思います。 でも……あまり刺激は受けないなぁ。 O:刺激ねぇ。 #12の「Time Won’t Wait」なんて結構いいじゃな…

『dynamite』、Jamiroquai、2005年

以下は、6月に京都市内で行われたAuggie(以下、A)と Oh!矢(以下、O)による対談である。 * * * * A:こんにちは。 O:どもども。久しぶり。早速だけど、聴いた? ジャミロの新譜。 A:もちろん聴きましたよ! 新譜が出るって聞いたときは、 ホ…

ジャン=ピエール・ジュネ、インタビュー。

以前、『ロング・エンゲージメント』の公開に伴い、 ジャン=ピエール・ジュネのインタビューが新聞(朝日新聞・夕刊3/29)に 掲載されたことがある。 以下は他のブログに挙げたものだが、再び挙げておく。 映画監督には2種類ある。映像を10秒見れば誰が撮…

渉猟日。

今日は雑務に追われた日だった。 結果的に、今日は古書などを「渉猟」する日となる。 以下、そのリスト。 ・『ジャズ批評』67 「エリントン and ベイシー ビッグバンド特集号」 ずっと探していた一冊。エリントンについて80頁、 ベイシーについて40頁ほどの…

『Rock And Roll Hero』、『Groovement』、『Largo』

連日、忙しい日が続き、ロクに本も読めない。 最近家で聴いた音楽について、簡単に印象を記しておく。 『Rock And Roll Hero』、 桑田佳祐、二〇〇二年、Victor 15年前にサザンの網羅的なベスト盤『すいか』を聴いてからこのかた、 サザン及び桑田に裏切られ…

『去年マリエンバートで』(“L’annee Derniere A Marienbad”), 1961, フランス, 監督アラン・レネ、脚本アラン・ロブ=グリエ

また観てしまった。 観た後で後悔するのは観る前からわかっているのに、 私は数年おきににこの映画を観てしまう。 これは、難解なものにこそ高い価値があるとするスノビズムのあらわれだろうか。 この映画は、映画史に名を残す問題作である。 どれくらい問題…

『こちトラ自腹じゃ!』、井筒和幸(続き)

以前、昨日の内容を他のブログでアップしたとき、 以下のようなコメントがあったので、これもアップしておく。 いくつかね、違和感があるんですよ。 考えてたら寝られなくなっちゃったんで、ちょっと書かせて。 変だったら削除プリーズね。 1つは、井筒の言…

『こちトラ自腹じゃ』、井筒和幸、ワニマガジン社、二〇〇二年

井筒和幸は僕の好きな監督の内の一人だ。 巻末の「あとがき」に、僕は素直に納得することができる。 …映画評論というものは、そう簡単に出来るものではないのです。 人物、状況設定の表現、時代との照合、監督の主張が どれだけ伝えられているか、その内容は…

『ビーチ・ボーイズのすべて』、中山康樹、エイ文庫、二〇〇三年

ビーチ・ボーイズについて私が知っていたこと。 1.アルバム『ペット・サウンズ』は、サウンド・コラージュなどの スタジオ・ワークを駆使した傑作であり、多くのミュージシャンに 多大な影響を与えた(例えば、日本盤の解説は山下達郎と萩原健太が 書いて…

『ブルーノート再入門 モダン・ジャズの軌跡』、行方均編、朝日文庫、二〇〇〇年(初版は九四年、径書房)

贅沢な本だ。 研究書ならば「論文集」ということになるのだろうが、 本書は各ジャズ批評家達の自分の得意分野についての書き物によって構成されている。 油井正一が戦中にひっそりと輸入されたブルーノートのレコードについて書き、 ピーター・バラカンは愛…

[LINK] 各項目リンク整備。

[LINK] カテゴリーの、各項目へのリンク機能を整備。 HTMLタグの書き方を参照しながら、どうにか完成。 これで随分便利になった。

『ハチミツとクローバー』⑦、羽海野チカ、集英社

いわゆる「王道の」少女マンガである。 最初は甘く見ていた。 絵はフツーの少女マンガ的だし、 話の筋もこっちは女二人の三角関係で、あっちは男二人の三角関係。 で、この女は昔の男を事故で失っていて今もその男のことを忘れられない… …という感じで整理で…

『超ビートルズ入門』、中山康樹、音楽之友社、二〇〇二年、

中山康樹の音楽評論は、僕に希望を与えてくれる。 勉強の合間にちょこちょこ読もうと思っていたのだが、 あまりに面白いので通読してしまった。 この本は、ビートルズが「広く浅く」聴かれること 又は「狭く浅く」聴かれることにより、ビートルズの「音楽」…

『麻雀放浪記』、阿佐田哲也、角川文庫、(一)〜(四)とも、文庫初版は昭和54年

いわずと知れた、賭博小説、麻雀小説の金字塔である。 この小説の魅力は、 「「三元役金縛り」「十枚爆弾」というイカサマ技を使って命を賭ける博徒の世界」と、 「自意識の牢獄に捕らわれた一人の男の内面の世界」という 二つの世界を描いているところだろ…

『ソウ(”SAW”)』、2004年、アメリカ、ジェイムズ・ワン監督

『CUBE』meets『SEVEN』というふれこみのこの映画、 残念ながら「出会った」ことにより両者の要素はそれぞれ薄まってしまったようだ。 題名の「SAW」とは、「SEE-SAW-SEEN」の「みた」という意味、 犯人の名前である「JIGSAW」(JIGSAWとは「糸ノコギリ」の…

『耳に残るは君の歌声』(”The man who cried”)、フランス、2000年、監督サリー・ポッター

第二次世界大戦前夜の世界を舞台に、亡命と難民を主題とする映画。 アメリカに亡命したオペラ歌手の父親を持ち、 その資質を受け継ぎながらヨーロッパ各地を転々としながら、 幼い頃の父の子守唄を胸に父親を探す、主人公のロシア出身のユダヤ人の少女(スー…

期せずして渉猟日。

今日は久しぶりに大阪に行く用事があり、 その帰りにブックオフへ。 三条店は回転が速いので、 近くに来たら寄ることにしている。 これは日課のようなものだ。 そして……今日はそこでいくつもの幸運な出会いがあった。 ・『映画の領分 映像と音響のポイエーシ…

『A2』、森達也監督、2000年

『A』がオウム問題についての問題提起のフィルムだったとするならば、 『A2』はその途中経過の報告のフィルムである。 フィルムの内容は、1999年9月の布教を含めた対外的活動停止の休眠宣言の発表から、 2000年までの記録である。 このフィルムは、大き…

『イデアの洞窟』、ホセ・カルロス・ソモサ、文藝春秋、二〇〇四年(”La caverna de las ideas”, Jose Carlos Somoza, 2000)

小説のメタレベルを利用した良質のミステリーである。 古代ギリシア、アテネ。 野犬に食い殺されたと思しき若者の死体が発見される。 だが不信を抱いたものがいた――「謎の解読者」と異名をとる男、ヘラクレス。 調査に乗り出した彼の前に現れるさらなる死体…

『麦の海に沈む果実』、恩田陸、講談社文庫、二〇〇〇年(文庫は二〇〇四年)

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)作者: 恩田陸,笠井潔出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/01/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 180回この商品を含むブログ (231件) を見るエンターテイメントの世界で精力的に執筆を続ける恩田陸の小説。 学園ミステリー…

『ジャズの黄金時代とアメリカの世紀』(続き)

以前、他のブログで昨日の内容をアップしたとき、 「なぜ他の都市ではなくニュー・オリンズでジャズが生まれたのか?」 ・・・教えて? というコメントをもらったので、これに対するコメントもアップしておく。 それは、この地域が「ルイジアナ」と呼ばれて…

『ジャズの黄金時代とアメリカの世紀』、大和明、音楽之友社、一九九七年

ジャズ史の教科書である。 どちらかというと初心者向けに書かれている本のようだが、 決して雑な記述に陥らず、コンパクトによくまとまっている。 特に、1960年代までの説明は優れており、メモを取らずにこの本のまま使えるほどである。 全ての文化活動には…