2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧
松本大洋って、ハマル人はとことんハマル漫画家だと思う。 歪んだ線、複雑な構図、大友克洋とは異なる方法でと汚されていく空間、 そして、さりげなく精神分析的な要素が映画的な手法で散りばめられて… …とくれば、批評家も放っておかないだろう。 でも、な…
最近読んだ漫画についてメモしておく。・『のだめカンタービレ』(14)、二ノ宮知子 ・『ブラックジャックによろしく』(13)、佐藤秀峰どちらも連載中の作品なのでまだ感想は書かない。 でも、面白かった! 次の作品が楽しみな作家を持つ、ということは…
『BECK』の新刊。 ホント、『BECK』は期待を裏切らない漫画だな〜。 今巻は、とにかく千葉がよかった。 よくわかるよ、千葉の気持ち……。 完結していない漫画については、 特筆すべきことがない限りさらっと流したいんだけど、 前に『BECK』について書き忘れ…
t: 映画がオモシロイと言うのは、 内容に社会、文化、政治やそれらの歴史が反映されているからとか、 隠喩的な証言が上手に何かを風刺もしくは評価しているからとか、 撮影手法自体が作品に対して自覚的に意図を持って仕組まれているとか、 そういったこと…
A: 例えば『エイリアン』。 H.R.ギーガーデザインの禍々しいエイリアンに目を奪われるけど、 あれも単なるモンスターSF映画じゃない。 あれはセックスへの根源的な恐怖を描いた映画なんだ。 t: うん? A: はじめのほうで頭にカブトガニみたいなエイ…
takao: ゾンビ三原則? 何それ。今考えたんじゃないの? Auggie: まあ、そう思うのも無理はない。 でも、これは有名な決まりで、 ジョージ・A・ロメロが確立したって言われてるんだな。 もっとも、今ではこれがあまりに当たり前になってるから、 皆特に…
(京都市内にて、友人のtakao君と) Auggie:やあやあ、久しぶり。 早速だけど、観たよ、『ランド・オブ・ザ・デッド』 (以下、『ランド〜』)。 面白かった〜! takao:でしょ!? アホアホなホラー映画を観て気分転換するつもりだったけど、 よくできてて唸…
友人のtakaoくんが『ランド・オブ・ザ・デッド』を観て、 いたく感心したらしい。 それで、町山智浩氏のブログの過去のページを教えてくれた。 で、ぼくも早速読んだんだけど、 あまりに面白かったので以下に引いておく。 元ネタはid:TomoMachi さんの2005年…
『海を飛ぶ夢』はスペインの映画で、 最近DVD化されたけど実は公開時に劇場で観た。 興味のあるテーマでもあったのだが、 劇場まで足を運ぼうと思ったきっかけは、 玄侑宗久のレビューを読んだからだ。 以下、全文を引いておく。 観おわってしばらく、奇妙な…
四方田犬彦は、ぼくが最も敬愛するもの書きの一人だ。 このブログをはじめてからもずっと読み続けてきたけど、 不思議と著作を紹介したことはなかった。*1 理由は簡単で、著作一冊をとてもまとめきれないからだ。 このブログには、大体その本なり作品を咀嚼…
待望のGerardo Frisinaの3rd! 期待は尋常のものではない。 なにしろ、あの傑作『Hi Note』の次作。*1 前作を上回る完成度の高さ・革新性を期待するのはファンとして当然だ! ……と、レコ屋からの帰り道、1人舞い上がっていたのだが、 感想としては、満足と…
[music] 『THE LATIN KICK』(2), Gerardo Frisina, Schema, 2005昨日のGerardo Frisinaの『The Latin Kick』について補足。 Remix#176(特集「Italian New Jazz & Bossa」)より引く。 Gerardo Frisina Biography 1962年、イタリア南部のレッジョ・ディ・…
まるまる一冊、主人公のヒロインとのセックスが描かれる「特別編」。 朝日新聞の書評で知り、一度読んでみたかった漫画だ。 といっても、別にエロが見たいわけではなかった*1。 ストイックな本格格闘漫画で知られる『グラップラー刃牙』で セックスがどのよ…
昨日の続き。他に藤原正彦が提示するテーゼとして、次のようなものがある。 「論理」だけでは世界が破綻する ① 論理の限界 ② 最も重要なことは論理で説明できない。 ③ 論理には出発点が必要 ④ 論理は長くなりえない(短文になるということ) これについても…
藤原正彦の『国家の品格』へのぼくの腹立ちはまだ収まらない。 近所の書店ではこの本がまだ平積みになってるから、 まだ売れているのだろう。 自分の家に置いていたくないので、今後繰り返し批判できるように もう一度チェックしてから売ろうと思って読み返…
敬愛する四方田犬彦の随筆集より、 面白いものがあったので引いておく。 世の中には名前だけは残っているが、それが実際になんであるか、 よくわからないものというのが往々にして存在している。 たとえば「牛の首」という怪談。 これは江戸時代の随筆集など…
大人向けナンセンスに手塚治虫が挑んだ痛快SF巨編 単行本未収録だった幻の結末一挙170ページ復刻!! と帯にあり、勢いで購入してしまった。 「性」をテーマにした作品。 簡単に内容を要約すると、 突然変異により、 生まれつき無性人間を作る精子を生産する男…
昨日、一昨日とパティ・オースティンについて書いた。 今日も彼女について書くが、しかし好意的なものではない。 パティ・オースティンの音楽と出合って激しく心を動かされたものの、 有線で流されたその音楽の演奏者を知る術もなく (特殊な有線放送でパー…
今日はパティ・オースティンの音楽について書いておこう。 CTI時代の彼女のアルバムはどれも繊細で、すべて一聴の価値がある。 その理由はバンドメンバーにある。 書き出してみよう。 『END OF A RAINBOW』(1976年) Patti Austin (vo.) Barry Miles (syn.)…
ごく稀に、自分はこの音楽と出合うために生まれてきたんじゃないか―― そう思う音楽に出合うことがある。 このアルバムの1曲目、「Say You Love Me」はぼくにとってのそんな曲だ。 今日は少し感傷的な話をしよう。 今から数年前、よくある話で失意のどん底に…
これから書かれるべきであろう映画史は名作の歴史であってはならないし、 特権的な監督の思想やイデオロギー、 あるいは技法の妙の歴史であってもならない。 かといって、映画を単純に政治や社会状況に従属させて 区別分類するものであってもならない。 映画…