2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『母に習えばウマウマごはん』、小栗左多里、ソニー・マガジンズ

左多里さんの新刊。 『ダーリンは外国人』があまりに面白かったので、 以後、左多里さんの新刊はチェックすることにしている。 料理教室を開いていた母親に簡単料理を教わり、実際に作ってみる漫画。 料理は母の小栗一江さんで、レシピ付き。 ちらっとみたレ…

『ZETMAN』(5)、桂正和、集英社 

桂正和の作品には、二つの傾向があると思うんだな。 一つは「ヒーローもの」で、もう一つは「美少女もの」。 「ヒーローもの」ってのは『ウイングマン』や『ヴァンダー』がそうで、 「仮面ライダー」とか「ギャバン」「サンバルカン」などの、 タイトルに「○…

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、押井守、84年

メイキングに惹かれる。DVDに監督インタビューなどが収録されていると、 それがあまり興味がない作品のものでも絶対みてしまう。 それは映画に留まらなくて、音楽なら録音風景、 読み物だったら自著解説のインタビューという風に、 ジャンルにこだわらな…

『The Olatunji Concert: The Last Live Recording』、John Coltrane、2001年

1967年にこんな演奏があったことを知ったのは2003年のこと。 驚いた。 レコードも罪深いなあ。 ジョン・コルトレーン・クインテットがこんなサウンドだったなんて 『惑星空間』聴いてもメディテーション聴いても ビレッジバンガードアゲイン聴いてもクルセマ…

『げんしけん』(6)、木尾士目、講談社、2005年

「講談社漫画賞落選!!!!」という帯のコピーにまず笑った。 今回は講談社漫画賞はダメだったかもしれないけど、 きっといずれ受賞するよ。 だってこの漫画はとても面白いから。 まあ、その面白さがちょっと問題なんだけど。 今日はそれについて書こうと思う。…

「ケイゾク/雑誌」

ぼくがはっきりと堤幸彦の名前を意識したのは、 『池袋ウエストゲートパーク』という疾走感に満ちたドラマだったから、 実は『ケイゾク』の演出が堤幸彦だっていうのは後から気づいたことになる。 この「雑誌」は、テレビシーズンが終わり、人気があったので…

『上京ものがたり』、西原理恵子、小学館、2004年

西原の「叙情グループ」の作品。 「叙情グループ」というのはぼくが勝手にそう呼んでいるだけで、 『はれた日は学校をやすんで』や『ぼくんち』などの作品を指す。 その反対は「激情グループ」で、 『まあじゃんほうろうき』や『鳥頭紀行』など。 ぼくは『ぼ…

[music] 「透明ガール」、NONA REEVES、2005年

NONA REEVESが好きだ。 といっても、このバンドはほとんど知られていない。 大抵、「NONA REEVES」が バンドの名前であることから説明しなくちゃいけない。 NONA REEVES――ノーナ・リーヴスと読む――は、 西寺郷太(vo.)、奥田健介(g.通称オッケン)、小松茂(…

[LIST]

[LIST]の各項目からの各記事が、 いちいち新しいウインドウを開かずにリンクできるように修正。 HTMLの書き方が分からなかったら、 ブラウザの「表示」の「ソース」を開けばいいのだ。 それをみて修正した。 実はこれも山形浩生の『コンピュータのきもち』に…

「わかりやすさは、ただの表現の問題ではないのだ。」(山形浩生、『ダ・カーポ』、2002年4月)

いま、日本はいろんなところで閉塞感がただよっている。 それは各種の領域で、 人々が自分のことば世界に閉じこもっているのも一因だ。 官僚は官僚語だけで話し、そこから出てこようとしない。 外交コミュニケーションの下手さ加減は言うべきにも非ず。 オー…

「JAZZ」、Bugge Wesseltoft(New Conception Of Jazz), 2003年

No overdubs or repairs done on this album. I am proud of this album, because it shows our concept of making music. Walking on stage with only an electronic beat as the basic element in a song. It leaves it all up to us to create spontaneou…

「ルパン三世 天使の策略(タクティクス)」

ルパン三世 天使の策略~夢のカケラは殺しの香り~ [DVD]出版社/メーカー: バップ発売日: 2005/10/21メディア: DVD クリック: 11回この商品を含むブログ (10件) を見る夏恒例! のルパンシリーズ。 特にアニメ好きでなくてもルパンは観る、という人は多いだろ…

『金魚屋古書店出納帳』(上)(下)、芳崎せいむ、小学館、2005年

怒りついでにもう一つ。 最近いろいろなところで紹介されているこの漫画を読んだ。 しかし、これまた期待ハズレ。 傾向としては、最近よくある、 「うんちく系エンターテイメント」だが、はっきりいって技術不足。 漫画の知識は恐ろしくありそうだし、 漫画…

『ポートレイト・イン・ジャズ』、和田誠・村上春樹、新潮社、1997年

和田誠と村上春樹による、計26人のジャズマンのイラスト+エッセイ集。 元々は和田誠の個展「JAZZ」、「SING」に展示されたものに 村上春樹がエッセイを付けたものらしい。 選んだミュージシャンがなかなか通好みである。 ロリンズもコルトレーンもクリフ…

『MALTAのサックス修行一直線』、MALTA、音楽之友社、1999年

「著者紹介」より。 本名、丸田良昭。鳥取県倉吉市出身。 13歳からサックスを吹き始め、1966年より故阪口新氏に師事。 1973年東京芸術大学音楽学部器楽科卒業、 1976年ボストンのバークリー音楽院卒業後同校で一年半教鞭をとる。 1979年には名門ライオネル・…

『MG4』、MONDO GROSSO, 2000年

ジャズ、ブラジル音楽に黒人音楽、そして2STEPへの 大沢伸一の情熱と才能が爆発した一枚。 本人自身「好きな音楽にこれまでの恩返しをした」と語る通り、 それまでの大沢伸一の仕事の集大成でもある。 このアルバムはヒットし、世間的に彼の名前が広く…

『ひかりのまち』、浅野いにお、小学館、2005年

浅野いにおとの出会いは、ヴィレッジ・ヴァンガード。 山積みとなった『素晴らしい世界』(1)が、 過剰な紹介ポップでベタ褒めされており、 ヴィレヴァンに来ると購買欲を刺激されてしまう私は、 ろくに中身を確かめもせずに購入した。結果は大当たり。 し…

『スーパーサイズ・ミー』、2004年、アメリカ、監督・主演、モーガン・スパーロック

#1 Can only Super Size when asked. (聞かれたらスーパーサイズにする) #2 Can only eat food from McDonald’s …water included. (水を含め、口にするものはすべてマクドナルドの製品だけにする) #3 Has to eat everything on the menu at least …

『猪木詩集 「馬鹿になれ」』、アントニオ猪木、角川書店、2000年

ポエム界に驚異の大型新人現れる!! 当今詩人衝撃デビュー! 帯のアオリ文句につられて古書店で購入。 「サンタモニカの朝に」 不安だらけの 人生だから ちょっと足を止めて 自然に語りかけてみる「元気ですかーっ!」自然は何も 言わないけれど ただ優しく …

『BECK』(23)ハロルド作石

『BECK』の物語としての推進力は、 世界から拒絶されたときの「絶望」と、 そしてそれをバネとして成長するときの「高揚」とが 交互に訪れるところにある。 その配置のされ方は実に巧妙だ。 流れでみれば23巻は「高揚」の訪れのはずだが、 私はむしろ「…

「CONTE(コンテ)、宮崎駿の不思議」、若草書房、(2001, summer, vol.1)

『千と千尋の神隠し』の公開にあわせた宮崎駿の特集号。 特に期待して購入したわけではない。 古書店で安く売られており、竹中直人のインタビューが載っていたので購入した。 ところが、これがなかなかの掘り出し物だった。 以下、面白かったところを引いて…

“Jazz is the Teacher, Funk is the preacher”, James Blood Ulmer

Jazz is the Teacher, Funk is the preacher. 「ハーモロディックス理論」は、最近では専ら菊地成孔の批判の対象となっているが、上の言葉は、その提唱者であるオーネット・コールマンの門下生の中で一番の出世頭、ジェイムス・ブラッド・ウルマーの曲名であ…

「BARFOUT!」(2005.may,vol.117)

長谷川京子が表紙だったので購入。 ……いや、ハセキョーは好きだが、さすがにそこまで好きではないので、 買おうかどうかしばし迷ったが、菊地成孔の特集もあったので結局購入した。 長谷川京子はやはり美しい。 インタビューはどうってことない内容で、特に…

『ジャズ・カントリー』、ナット・ヘントフ、講談社、1976年

部屋の整理をしていたら、懐かしい本に出会った。 ナット・ヘントフの『ジャズ・カントリー』。 高校の頃に、父に薦められて読んだ本だ。 高校は吹奏楽部に所属していたが、それはジャズをやりたかったが、 それは通っていた高校には「ジャズ研」なるものが…

『H』「タイガー&ドラゴン特集号」(2005年6月号)

ドラマ「タイガー&ドラゴン」は面白かった。 毎週の放送を楽しみに待つ。 久しぶりにそんな体験をした。 私はドラマに対して「オクテ」だった。 どちらかというと私は映画に興味があり、 アイドルの露出に一喜一憂する級友を冷笑していた暗くてイヤな少年だ…

『STUDIO VOICE』(2005.JUNE)、特集 最終コミックリスト200 “00年代マンガのすべて”

「STUDIO VOICE」の特集はとても重宝している。 今回は漫画特集だ。 興味深く読んだものがいくつかあった。「浦沢直樹」 5/10, 5/28, 6/2, 7/1と浦沢直樹について書いてきたが、 それとほぼ同じことがSTUDIO VOICE(2005.JUNE)に書かれていたので引いておく…

ミヒャエル・ゾーヴァ展 −不思議な扉の向こうへ− 美術館「えき」KYOTO

「Denker」という絵がある。 薄暗い空を背景に、苔むした絶壁の上に腰をおろし、 「考える人」よろしく顎に手を当てているスーツ姿の男の後姿。 その後ろにはコードが繋がっているパソコンがある。 深刻に何かを考えているようでもあり、 何も考えずに崖の下…

『モーターサイクル・ダイアリーズ』、イギリス=アメリカ合作、2004年

“This is not a story of incredible heroism, or merely the narrative of a cynic; at least I do not mean it to be. It is a glimpse of two lives that ran parallel for a time, with similar hopes and convergent dreams. …… …Is it that our whole …

『Tupelo Honey』、Van Morrison, 1971年

勝手に私が人生の師と仰いでいる歌い手がいる。 エルヴィス・コステロ、トム・ウェイツ、そしてこのヴァン・モリソンだ。*1 ジム・モリソンではない。 人に話すとよく間違えられるのだが、 ヴァン・モリソンはジム・モリソンではない。 ジム・モリソンの魅力…

『ゴールドベルク変奏曲』、グレン・グールド(続き)

以前、他のブログで昨日の内容を書いたとき、 複数の人からコメントをもらい、非常に有益だったので以下にアップしておく。 [デュークセルゲイ] 81年盤はヤマハで弾いているんだよね。 一度これのSACDリマスターを聴いたことがあるけど、音質に感動したよ。 …