2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧
最近、ショート・フィルムづいているので、 同じ棚にあったこの作品もレンタル。 特に井口昇に思い入れがあったわけではない。 このDVDに収録されている作品は、 どれもショート・コメディの形式だが、 その実、井口昇の暗い内的な欲望が投影されたものだ…
言葉は力をもっている。 昔の人はこれを言霊と呼んだが、 フジ子・ヘミングのこの本はこの力に満ちている。フジ子・ヘミングを好きになったのは『ざわざわ下北沢』を観てから。 それまでは、『シャイン』のような感動系のピアニストかな、と思って それほど…
山下敦弘は、以前から名前は耳にしていたが、 実際にフィルムを観る機会がなかった。 ずっと興味はあったので、今回、一気に3作品を観た。 結論から先に述べると、3作品とも無名の俳優を配し、 低予算で制作されながらも映画的文法に則った作品で、 興味深…
惜しいなあ、このフィルム。 あらゆる要素がもう少しずつよくなれば、 すごく面白い作品になっただろうに。 「きょん」というバーに訪れる客と店員の話で、 カメラは店の中から動かない。 舞台の要素が強いフィルムで、1話10数分の全六話。 ちょっと無愛想…
[book] 『神の子どもたちはみな踊る』、村上春樹、新潮社短編小説と長編小説は似て非なるものだ。 ともに「小説」でまとめられてはいるが、語り方はまったく異なる。 長編小説が叙述を重ねて、少しずつ世界を構築していくのに比べ、 短編小説はある限られた…
以前なにかの書評で読んだ本で、 読んでみたかいけど買うほどじゃないかな、 と思っていた本。 内容は、山下洋輔と、クラシック音楽家(オーボエ・指揮)・ パーカッショニスト(邦楽囃子方)・音楽学研究者という それぞれ異なる3分野の人間との対談を収め…
『海辺のカフカ』を読んでハルキづいたので、 近所のブックオフのセールで何冊かハルキ本を購入。 言葉遊びの本で、50音全ての文字で始まる回文が収められている。 特に何も述べる必要もない本だと思うけど、 楽しい本であることは確か。 いくつか面白かった…
面白い記事があったので引いておく。 旧暦1月31日(今年は2がつ10日)に、 愛知県稲沢市の国府宮(こうのみや)神社で行われる 「国府宮はだか祭り」は「日本三大奇祭」のひとつと呼ばれている。 この祭りでは、祭りの最中に突然素っ裸で全身の毛をツルツ…
Even a broken drum can save the moon (壊れたドラムでさえ月を救うことができる) カサンドラ・ウィルソンの2003年のアルバム、 『glamoured』に収録された「broken drum」の一節。 解説によれば、 自分の力が限られていようとも、その力を信じ、 どんな…
(続き) 心の奥底にうまく言語化できない「モヤモヤとしたもの」があるとき、 それをどう「昇華」するか、というのは人間にとって重要な問題だ。 ここでいう「モヤモヤとしたもの」とは、これ以上表現できないもので、 しかし意識の奥底に確かにそこにある…
なんだかんだいって、村上春樹は好きな作家だ。 文体重視の初期三部作もいいが、 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで、 ぼくは唸ってしまった。 そして圧倒的な『ねじまき鳥クロニクル』! あまりにも鮮やかな、メタファーによる物語…
いわずと知れた古典。 あらすじや内容は当然知っていたけど、 実はちゃんと読んだことなかったので『ダンテ・クラブ』を読む前に読んだ。 といっても、これも抄訳、意訳なのだが、 この版を選んだのは、 とにかく全体を通読したかったのと、挿画のドレに惹か…
われらの人生の旅路半ばにして、われ正しき道を見失い、 気づけば暗き森の中にありき この言葉は、 「一切の希望を捨てよ、我門を過ぎるものよ!」*1と並んで有名な、 ダンテの『新曲』の冒頭だが、 日本人にはこの一節は特別な意味を持つ。 というのも、冒…
『リバーズ・エッジ』を読んだ、と言ったら、 『ヘルタースケルター』も面白いよ、と友人に薦められたので読んでみた。 友人の言う通り、勢いがあって一気に読めた。 主人公は若さと美しさを保つために違法の美容手術を受けるモデルで、 美しさへの女の業が…
この清々しさは、いったいどこからくるのだろう。 これがサムライチャンプルー、全26話を観終わった素直な感想。 完結したのは随分前だが、 そのとき書いておくのを忘れていたのでここに記しておく。 ナベシンこと渡辺信一郎のつくる作品を貫く思想は、 「人…