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待つことの悦び 4(四方田 犬彦)

「待つことの悦び」4回目。これで最後です。 うんうん、これこそ四方田先生の随筆です。 書物はゆっくりと成熟し、死が覚えずして来るのを憧れる。 30年前くらい前のエッセイです。 待つことの悦び 作者:四方田 犬彦 発売日: 1992/07/01 メディア: 単行本 待…

待つことの悦び 3(四方田 犬彦)

ヨモタ先生の「待つことの悦び」3回目です。 四方田犬彦先生といえば、なんといってもその博覧強記に裏打ちされた硬質な簡潔な文章が魅力。 これからの2回は、まさにそのヨモタ節全開です。 待つことの悦び 3 待つことについて、ぼくが知っているかぎりも…

待つことの悦び 2(四方田 犬彦)

昨日の続きです。 四方田先生の『待つことの悦び』から、「待つことの悦び」4連発。 待つことの悦び 作者:四方田 犬彦 発売日: 1992/07/01 メディア: 単行本 教科書に掲載されるなら、わたしはこの文章を推します。 待つことの悦び 2 忙しい、ということは…

待つことの悦び 1(四方田 犬彦)

部屋の整理をしていたら、四方田先生のエッセイが出てきました。 これから4日間は「言葉三面鏡」はお休みして、四方田先生の文章にそってものを考えたいと思います。 待つことの悦び 作者:四方田 犬彦 発売日: 1992/07/01 メディア: 単行本 『待つことの悦び…

『ぼくは散歩と雑学が好きだった』 小西康陽のコラム_06

ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008作者: 小西康陽出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 166回この商品を含むブログ (93件) を見る プロの仕事はズルい簡単なことですよ。プロの料理人…

『ぼくは散歩と雑学が好きだった』 小西康陽のコラム_05

ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008作者: 小西康陽出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 166回この商品を含むブログ (93件) を見る 音楽評論家視聴もできるんだから、音楽評論家の言う…

『僕は散歩と雑学が好きだった。』 小西康陽のコラム_04

これは共感できる人とできない人がいると思うけど・・・。 さすがレコード人の考えることは一般人とは違うなあ。 ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008作者: 小西康陽出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本購…

『僕は散歩と雑学が好きだった。』 小西康陽のコラム 1993-2008_03

まだ続きます。だって面白いんだもん。 ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008作者:小西 康陽出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本「インタビュー嫌い」から。 クリエーター そもそも自分がクリエーターであ…

『僕は散歩と雑学が好きだった。』 小西康陽のコラム 1993-2008_02

まだ読んでます。 ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008作者:小西 康陽出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本 世の中の音楽は二つぼくはね、ずっと思っているんですよ。世の中の音楽は癒し系とダンス・ミュー…

 『僕は散歩と雑学が好きだった。』 小西康陽のコラム 1993-2008_01

今更ながら、小西康陽のこの本を読み返している。 面白いです、これ。ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008作者:小西 康陽出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本 困るのは、これを読んでいると時間があっとい…

「Man In The Mirror」(from "BAD")、 Michael Jackson

子どもができてから強く思うこと。 それは、 「少しでいいから、世の中をこれまでよりも「いいもの」にしよう」 ということだ。 「いいもの」が何なのかについてはまた別の議論が必要だけど、 それまで自分のことしか考えてこなかった わたしにしては大きな…

Googleの経営理念

有名な「グーグルの理念」だけど、 原文が知りたくなったので対訳をつくった。 「Googleの理念」よりhttp://www.google.com/corporate/tenthings.html > 10の事実 Our Philosophy Ten things we know to be true 1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな…

『ドリアン・グレイの肖像』、オスカー・ワイルド(訳西村幸次)、岩波文庫、1891(一九三六)年

ドリアン・グレイの画像 (岩波文庫)作者:ワイルド出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1967/09メディア: 文庫『蝿の王』に続き、「なんで今さら」な本だが、これも学生のころに買って「積ん読」状態の本の一冊。 あまりにこの類の本が多すぎるため、本棚整理の…

『文章力の基本』、阿部紘久、日本実業出版社、二〇〇九年

文章力の基本作者: 阿部紘久出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2009/07/24メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 312回この商品を含むブログ (51件) を見る「文章術」分野での、2009年下半期のベストセラー。 薦められたので購入。 翻訳会社のトライア…

 『ウェブ進化論』、梅田望夫、ちくま新書、二〇〇六年

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/02/07メディア: 新書購入: 61人 クリック: 996回この商品を含むブログ (2353件) を見る背中を押された言葉。 私たち一人ひとりの力など知れて…

「父として」(ジャコ・パストリアス)、『ジャコ・パストリアスの肖像』より

ジャコとトレイシーは一九七〇年夏に結婚し、 フォート・ローダデイル市内のハリウッド・ブルバードにあるコインランドリーの上の狭苦しいアパートで暮らし始めた。 娘のメリーはその年の十二月九日、ジャコの十九歳の誕生日から八日後に生まれた。 ジャコは…

「メッセージ・ソング」(2),PIZZICATO FIVE(小西康陽)

以下、先日の返事を。 > にわとりさん 本当に仰るとおり。 以前は、どんな形のものであれ「愛」を重く感じていて 色々なものからなるべく距離をとろうと考えていたのですが、 最近になって少しずつ色々なものに ほのかな愛情を抱き始めています(まわりくど…

「メッセージ・ソング」,PIZZICATO FIVE(小西康陽)

聴くたびに目まいをおぼえる曲。 歌詞は こちら を。 恥ずかしい話だけど、 長い間、ぼくはこの歌詞を昔の恋人とか、 振られた相手に向けたものだと思ってた。 当時のぼくの精神状況では、そうとしか解釈できなかったのも無理はない。 でも、それはちょっと…

『知識とは』(四方田犬彦、『黄犬本』より)

大学生が教室の講義で得る知識というのは、 大学生のとき得る知識の三分の一でしかないと思う。 あとの三分の一は、 学校の帰りなどに映画館や美術館に行って得る知識であり、 残りの三分の一は友人などの横のつながりで、 人に会ったり、本を読みあったりし…

大人は楽しい、ELEPHANT LOVE

NO.1 自由 NO.2 パワフル NO.3 金持ち NO.4 セクシー NO.5 携帯 NO.6 メイクラブ 大人は楽しい yeah! 楽しくないなら早く大人に 楽しくないのは子供だから 楽しいときにはニコニコ 悲しいときにはメソメソ こっちのお水は甘いぞ カモン! 君は子供、大人どっ…

「ハイウェイ」、くるり

[words] 「ハイウェイ」、くるり『ジョゼと虎と魚たち』が頭から離れない。 くるりのこの曲が仕事中も頭の中で鳴っている。 とりあえず、詞を引いておこう。 (歌詞) ……詞だけみるとあまりよくないな。ジョゼと虎と魚たち(Oirginal Sound Track)アーティス…

「壊れたドラムでさえ…」(カサンドラ・ウィルソン)

Even a broken drum can save the moon (壊れたドラムでさえ月を救うことができる) カサンドラ・ウィルソンの2003年のアルバム、 『glamoured』に収録された「broken drum」の一節。 解説によれば、 自分の力が限られていようとも、その力を信じ、 どんな…

「映画史とは」(四方田犬彦)

これから書かれるべきであろう映画史は名作の歴史であってはならないし、 特権的な監督の思想やイデオロギー、 あるいは技法の妙の歴史であってもならない。 かといって、映画を単純に政治や社会状況に従属させて 区別分類するものであってもならない。 映画…

「For JAZZ audiences」 (Joshua Redman)

This album is dedicated to jazz audiences past, present, and future: You give jazz music its vitality, its relevance, its immediacy, and its timelessness. Without you, jazz would be just a proposition; a theory; a question without an answe…

朝日新聞「語りつぐ戦争」投書(2005.11.23)

45年6月、陸軍中尉だった父が大阪の陸軍施設で空襲に遭って死んだ。 返ってきたのは血のついた鉄かぶととサーベルだけ。 そのわずか2ヵ月後、終戦となった。 残された母と4歳の私、1歳にもならない妹は、 神戸の祖父母宅に身を寄せた。 焼け野原の中、その…

「under the groove」、(Bluey)

beyond color, beyond creed we are, one nation under the groove……peace ! (『last night in tokyo』, incognitoより) インコグニートの1996年に日本で行われたライブ盤より。 最後の最後、「Still a friend of mine」の後にBlueyが 一人でマイクを持っ…

「映画批評について」(四方田犬彦)

Q1: 映画について何らかの文章を書くことには、 一体どんな意味があると考えますか? A1: 当惑して何をしていいのかわからなくなっている若い監督に、 大丈夫、君は孤独ではないのだからと声をかけてあげることは、 どの時代にも必要だと思います。 そ…

「わかりやすさは、ただの表現の問題ではないのだ。」(山形浩生、『ダ・カーポ』、2002年4月)

いま、日本はいろんなところで閉塞感がただよっている。 それは各種の領域で、 人々が自分のことば世界に閉じこもっているのも一因だ。 官僚は官僚語だけで話し、そこから出てこようとしない。 外交コミュニケーションの下手さ加減は言うべきにも非ず。 オー…

「JAZZ」、Bugge Wesseltoft(New Conception Of Jazz), 2003年

No overdubs or repairs done on this album. I am proud of this album, because it shows our concept of making music. Walking on stage with only an electronic beat as the basic element in a song. It leaves it all up to us to create spontaneou…

“Jazz is the Teacher, Funk is the preacher”, James Blood Ulmer

Jazz is the Teacher, Funk is the preacher. 「ハーモロディックス理論」は、最近では専ら菊地成孔の批判の対象となっているが、上の言葉は、その提唱者であるオーネット・コールマンの門下生の中で一番の出世頭、ジェイムス・ブラッド・ウルマーの曲名であ…