「メッセージ・ソング」,PIZZICATO FIVE(小西康陽)

聴くたびに目まいをおぼえる曲。


歌詞は こちら を。


恥ずかしい話だけど、
長い間、ぼくはこの歌詞を昔の恋人とか、
振られた相手に向けたものだと思ってた。
当時のぼくの精神状況では、そうとしか解釈できなかったのも無理はない。
でも、それはちょっと恣意的に過ぎる解釈だということにやっと最近気づいた。


調べてみると、
この曲は「小西康陽が別れた妻との間にできた、自分の子どもに向けて書いた曲」
と言われているみたい。
確かに納得。
あまりにプライベートな「メッセージ」に少し引くが、
しかしこれはこの曲を聴くたびに感じるめまいの感覚を増やしこそすれ、
少しも減じることはない。
NHKみんなのうた」でも採用されていて、
そのせいかピチカートマニア以外にも多くの人に好かれているようだ。
名曲であることになんの留保もいらない。


ただ、ぼくの解釈が幼稚なものであることがわかったとき、
「親から子どもへのメッセージ」とはちがう形の祈りや希望も
この歌詞・言葉から引き出せることに気づいた。
そのときから、この曲は一歩前に進む勇気を与えてくれる曲になっている。


…いや、でも、ときに幼稚な解釈を許すのもこの曲の懐の深さというか、
名曲が名曲たるゆえんだと思うのだけどね。

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