言葉三面鏡

パネラー/パネリスト、グローバル・スタンダード/インターナショナル・スタンダード

これも和製英語。 「パネラー」か 「パネリスト」か そして、秋田で行われたトークセッションに出たのである。パネラーは「俺の友達」と瀬下さんが言うので気楽に構えていたら、これが、元巨人軍の原辰徳さん、元新日鉄釜石のスタンドオフ松尾雄治さん、ロス…

三島由紀夫の年齢から「学ぶ」。

「基準となる年」を覚えておくと便利です。 学ぶ 『鹿鳴館』は三島由紀夫が三十一歳の時の作品。昭和三十一年であり、私は当時十歳であった。朝礼のとき、校長先生が、日本が独立しました、と語ったのを聞いて「えっ、まだ独立していなかったのか!」と驚い…

食い入るように

慣用句は、意外と使い方が難しい。 コロケーション、というやつです。 食い入るように 冬はマラソンや駅伝のシーズンです。それを観戦した方の投稿です。 一生懸命にベストを尽くした姿に目頭が熱くなり、手に汗してテレビ画面を食い入るように見つめました…

稲を燃やす

浜口梧陵は、7代目浜口儀兵衛として、ヤマサ醤油の7代目社長でもある人なんですね。 稲を燃やす 2011年3月11日の東北大地震により津波が大きな被害を及ぼした。奇しくもその春の新年度から小学校の教科書に、浜口梧陵をモデルとした「防災の偉人」が載った…

機長と副機長

いわゆる「業界あるある」でしょうか。 機長と副機長 隣近所どころか、知人の中にもにいないせいか、旅客機の機長やアテンダントに関する話はほとんど知らない。 〇 機長と副機長は同じ食事をしないらしい。これは同じものを食べて食中毒、食あたりを避ける…

「言いふらしたはりました」 方言のときは、日本語にも時制の一致が起こる?  

いやあ、これは難問ですよ。 うまくいけば短い論文、悪くても呑んでるときの酒の肴になるネタですね、これは。 なんで泣きはる、泣いてはる 日本語には珍しい時制の一致の例です。 あるとき、事務職の女性が何か失敗しはって、関東出身の先生に向かって「せ…

うらめしや

江戸は、大らかな時代だったのでしょうか、窮屈な時代だったのでしょうか。 日本史において、わたしが一番好き/興味があるのは明治ですが、 今の日本文化のほとんどは、江戸時代に作られたのでしょうね。 うらめしや 江戸小咄から。 宿六がばくちで負けて、…

そういえば、ファミコンなどのコンピュータゲーム界隈で使われている「裏技」という言葉はどこから来たのでしょう? 裏 美術家の宮永愛子さんの記事です。 この1年、五島記念文化賞の副賞でチリの標高5000㍍地帯など南米を中心に世界を歩いた。「地球の裏側…

さすがに

年齢のことを言いたかったのでしょうか。 さすがに この言葉は、持ち上げているのか、貶しているのか、何故かはうまく言えないが、変な使い方である。 ≪デビュー初期の東映で、渥美格之進(格さん)役を演じたのを加えれば、佐々木助三郎(助さん)、水戸黄…

混浴

「かの娘 来たので湯屋が われるよう」なんてのもあったようですね。 混浴 寛政三年(1791年)正月、松平定信が混浴を禁じたが、「やめるように」くらいのゆるい令だったので効果は推して知るべし。その後、市井の男女混浴が禁止されたのは天保改革(1841年…

コレラ

新型コロナウイルスは、100年に一度の大感染症。 こういうときこそ、先人の知恵、過去の記録を参照すべき。 先人が陥った過ち・苦しみを活かしましょう。 コレラ このところ、新型コロナウイルスのニュースが流れない日がない。やはり感染病は怖い。ちょうど…

妊娠はしていない

「妊娠」というのは女性にとっても、男性にとっても驚天動地な出来事であり。それゆえ、(特に私小説の世界では)ひとつの小説ジャンルといっていいほどなのだ、アホらし。

三階は「さんかい」か「さんがい」か

この現象、「連濁」といいます。 三階は「さんかい」か「さんがい」か 言いやすい方が選ばれる例をもう少し観察してみましょう。「派出所」が「はつっしょ」、「新宿」が「しんじく」、「手術」が「しじつ」、「シミュレーション」が「シュミレーション」と…

断る言葉

これもまた、言葉の力の一つです。 修辞、レトリックの力と言った方が正確でしょうか。 断る言葉 戦争が始まると、河井道(ミチ・カワイ:昭和4(1929)年4月に恵泉女学園を創設)はよく生徒たちに「この戦争は間違っている」と語り、憲兵隊に呼び出された事…

お弟子さん

今日は例文たくさんです。 この「お…さん」は意識したことなかったなあ。 お弟子さん 折口先生に私は、お会いしたことがなかった。遠くから、お姿を見かけたこともない。にも拘わらず、お弟子のはしくれみたいな気がしているのは、お書きになったものを通し…

話法

何でもかんでも直接話法で伝える人って、ちょっと頭悪そうに見えるよね、と友人が話していたのを思い出します。 確かに。 それに比べると、自分の言葉でまとめて間接話法で伝達できるひとは頭が良さそうに見えます。なるほど、その観点はなかったなあ、と社…

爆睡 

STAY HOME。 時間だけはたくさんあるので、積ん読状態の本の「爆読」でもしましょうか。 爆睡この言葉「爆睡」は、江口寿史の「青春爆発!!」(『Weekly 漫画アクション』1988年8月30日号)が語源だそうだ。爆発五郎が「青春は爆発ですよー」と叫び、なんでも…

申し訳ながる

こんな言葉、聞いたことありません。 申し訳ながる 「彼はね、昨日の夜、スーダンから返ってきたのよ。半年ぶりだわ」 しばらく置きざりにしたことを申しわけながるように、会話を説明してくれた。 (林真理子『アスクレピオスの愛人』) アスクレピオスの愛…

若葉する

こういう言い方、親は自分の子によくしますよね、「宿題しなさい!」とか、「ピアノやったの?」とか。 若葉する 桜の花が散り、葉桜となった。窓をあけると新しい今年の緑葉が目に優しい。 季節は若葉の頃。富士山を攻め挙げるように、周辺の森が下方から若…

あ  「めでたい」(デザイン「あ」)

ひらがなの始めの文字ですが、書くのは意外に難しいですよね。 わたしの子どもも、書けるようになるのに苦労していました。

付け加える

言いたいことを伝えるためには、レトリックが必要。 そういうの嫌いなんだけど、そうも言ってられませんね。 耳を傾けてくれる人が多くなると、こういう技術が必要になって来るような気がします。 付け加える まったくその通りで、付け加えることはないよ。…

朝食

生活のリズムは人それぞれ。 自分に合ったサイクルを守ることが大事なのだと思います。 朝食 小沢昭一さんは午前4時くらいに就寝、11時くらいに起床という生活だったようです。もう朝ではないので朝食とは言わず、第一食事、第二食事、第三食事と呼んでいる…

『日本一のホラ吹き男』

「日本一のホラ吹き男」はいいとして・・・ 「ゴリガン男」って、どういう男のことをいうんですか? 見当もつかない…… ゴリゴリ、ガンガン進めるモーレツ男のこと? 『日本一のホラ吹き男』 植木等の映画『日本一のホラ吹き男』の意味は 日本一の + ホラ吹…

ロールス・ロイス

うーん、自分でもびっくりするくらい、車にこだわりはないんです。 走って、止まって、曲がればいい。 ロールスロイス 世界一の高級車といえばロールスロイスであろう。どれほどの名車であろうとも、商品であるからにはキャッチフレーズが必要。 At 60 miles…

同時通訳:「私は…を思い出した」と「I remembered that …」の陥穽

喋る分にはあまり気になりませんが、文章で読むと気になります。 これなんかその典型。話すように書いているのでしょう。 同時通訳:「私は…を思い出した」と「I remembered that …」の陥穽 ぼくは、貧しい私生児だったために、恵まれぬ青春時代をすごし、結…

食べたお皿

食べたお皿 日本語と英語の構造の違いで苦労するものの例題に「食べたお皿」があります。たとえば 「食べたお皿は流しに運んでください」 これがとっさに言えないのです。手元の和英辞典には用例がありません。 「死体を埋めたシャベルが発見された」、「そ…

ネックレス

ネックレス びわ湖を包囲するかのように店舗を広げている大型スーパーはそれを「琵琶湖ネックレス構想」と呼んでいるそうです。 首飾りのnecklace のイメージなのでしょうが、英語を離れて日本語で読み解くと「ネック(障害)+レス(無い)」とも読み解けま…

てんつき

わたしの子どもの頃は、川遊びは日常的ではありませんでした。 今の子どもにとっては、それ以上に非日常的な経験でしょうね。 てんつき 寺田寅彦に『鴫突き』がある。この「珍しい狩猟法」は高知付近の狩猟法で、冬の田んぼで餌をあさっている鴨を、飛び立つ…

葬式

人との親交は、楽しくもあり、疎ましくもあり。 人と交わるにせよ、遠ざけるにせよ、その選択に後悔のないように。 最近は、そう考えて生きています。 葬式 銀座のバーのマダムがひっそり自ら死を選んだ。その葬儀に訪れた白洲正子は、 和やかな葬儀であった…

トンボ

いまの時代は、好奇心を持続させるのにも一苦労なんです。 トンボ トンボが前のトンボの尻に食いついて飛んでいるのをみかけたことはだれにもあるだろう。あれを何と呼ぶのだろうかと思っていたら「タンデム式につながった」というらしいことを寺田寅彦『柿…