「妊娠はおらず」……なぜ、この言葉が添えられたのか。
たしかに、その意図がわからない。
妊娠はしていない
旧聞に属することだが、フリーアナウンサーの小林麻耶さんが4歳年下の男性と結婚したと所属事務所が27日、明らかにした。小林さんは同日、自身のブログを更新し、24日に婚姻届けを出したことを公表。妊娠はしておらず、今後も仕事を続けるという。(京都新聞2018)
この「妊娠はしておらず」は何を意図して添えられたのか。結婚をして引退するのかというファンの心配への配慮であろうととるのが短絡的解釈でよさそうだが、それでは「女性が結婚退職して育児に専念する」という人生設計の一つの図式を考慮したためか。
あるいは、次の解釈は、下ネタ好き読者のためのサービスか。24日に婚姻届を出して、数日後に発表。それ以前にも性的交渉があったが妊娠はしていない、と言いたいのか。妊娠してないのだから交渉はなかったと暗に言っているのか。ホントのところはどうでもいいけど、「妊娠はしておらず、今後も仕事を続ける」という報告は不思議な文言だナ。なにを意図しているのだろう。
そういえば、斎藤美奈子の『妊娠小説』、読んだことありますか?
読んで楽しい文芸評論。
名著です。
要約すると、
「妊娠」というのは女性にとっても、男性にとっても驚天動地な出来事であり。それゆえ、(特に私小説の世界では)ひとつの小説ジャンルといっていいほどなのだ、アホらし。
という内容です。
小林麻耶さんの上記の報道も、いちいちそんなこと書かないでくださいよ、アホらし。