2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

食い入るように

慣用句は、意外と使い方が難しい。 コロケーション、というやつです。 食い入るように 冬はマラソンや駅伝のシーズンです。それを観戦した方の投稿です。 一生懸命にベストを尽くした姿に目頭が熱くなり、手に汗してテレビ画面を食い入るように見つめました…

ラサーンか、ラサーン以外か。「怒れ!」そして正義について考える。 

先日、久しぶりにインテリな知己とあったとき、最近読んだ本を訊かれました。 えっと……『卵をめぐる祖父の戦争』を読んだのは先月だったから最近とは言えないなあ。 それに、この方は小説は読まないので、この本の素晴らしさを伝えにくい。

稲を燃やす

浜口梧陵は、7代目浜口儀兵衛として、ヤマサ醤油の7代目社長でもある人なんですね。 稲を燃やす 2011年3月11日の東北大地震により津波が大きな被害を及ぼした。奇しくもその春の新年度から小学校の教科書に、浜口梧陵をモデルとした「防災の偉人」が載った…

機長と副機長

いわゆる「業界あるある」でしょうか。 機長と副機長 隣近所どころか、知人の中にもにいないせいか、旅客機の機長やアテンダントに関する話はほとんど知らない。 〇 機長と副機長は同じ食事をしないらしい。これは同じものを食べて食中毒、食あたりを避ける…

「言いふらしたはりました」 方言のときは、日本語にも時制の一致が起こる?  

いやあ、これは難問ですよ。 うまくいけば短い論文、悪くても呑んでるときの酒の肴になるネタですね、これは。 なんで泣きはる、泣いてはる 日本語には珍しい時制の一致の例です。 あるとき、事務職の女性が何か失敗しはって、関東出身の先生に向かって「せ…

うらめしや

江戸は、大らかな時代だったのでしょうか、窮屈な時代だったのでしょうか。 日本史において、わたしが一番好き/興味があるのは明治ですが、 今の日本文化のほとんどは、江戸時代に作られたのでしょうね。 うらめしや 江戸小咄から。 宿六がばくちで負けて、…

そういえば、ファミコンなどのコンピュータゲーム界隈で使われている「裏技」という言葉はどこから来たのでしょう? 裏 美術家の宮永愛子さんの記事です。 この1年、五島記念文化賞の副賞でチリの標高5000㍍地帯など南米を中心に世界を歩いた。「地球の裏側…

さすがに

年齢のことを言いたかったのでしょうか。 さすがに この言葉は、持ち上げているのか、貶しているのか、何故かはうまく言えないが、変な使い方である。 ≪デビュー初期の東映で、渥美格之進(格さん)役を演じたのを加えれば、佐々木助三郎(助さん)、水戸黄…

混浴

「かの娘 来たので湯屋が われるよう」なんてのもあったようですね。 混浴 寛政三年(1791年)正月、松平定信が混浴を禁じたが、「やめるように」くらいのゆるい令だったので効果は推して知るべし。その後、市井の男女混浴が禁止されたのは天保改革(1841年…

「——さ」

「この曲ヤバくない? あたし昨日、夜これ聞いてたら泣きそうになっちゃんたけど」 「わかるー! あれ、めっさヤバみある!」 ……最近はこういうとき、「ヤバさ」とは言わないらしいですよ。 「——さ」 接尾辞の「さ」の用例です。近江の鉄砲鍛冶師の国友一貫…

コレラ

新型コロナウイルスは、100年に一度の大感染症。 こういうときこそ、先人の知恵、過去の記録を参照すべき。 先人が陥った過ち・苦しみを活かしましょう。 コレラ このところ、新型コロナウイルスのニュースが流れない日がない。やはり感染病は怖い。ちょうど…

妊娠はしていない

「妊娠」というのは女性にとっても、男性にとっても驚天動地な出来事であり。それゆえ、(特に私小説の世界では)ひとつの小説ジャンルといっていいほどなのだ、アホらし。

三階は「さんかい」か「さんがい」か

この現象、「連濁」といいます。 三階は「さんかい」か「さんがい」か 言いやすい方が選ばれる例をもう少し観察してみましょう。「派出所」が「はつっしょ」、「新宿」が「しんじく」、「手術」が「しじつ」、「シミュレーション」が「シュミレーション」と…

絵に描いた餅

どんな情報でも、出典が大事。 出典によっては、誤用がニュースになることもありますしね、政治家の漢字の誤読など。 絵に描いた餅 中にはこんな鋭い意見を持っている人もいます。 アマゾンのネットショッピングで『明鏡ことわざ成句使い方辞典』(大修館書…

断る言葉

これもまた、言葉の力の一つです。 修辞、レトリックの力と言った方が正確でしょうか。 断る言葉 戦争が始まると、河井道(ミチ・カワイ:昭和4(1929)年4月に恵泉女学園を創設)はよく生徒たちに「この戦争は間違っている」と語り、憲兵隊に呼び出された事…

お弟子さん

今日は例文たくさんです。 この「お…さん」は意識したことなかったなあ。 お弟子さん 折口先生に私は、お会いしたことがなかった。遠くから、お姿を見かけたこともない。にも拘わらず、お弟子のはしくれみたいな気がしているのは、お書きになったものを通し…

待つことの悦び 4(四方田 犬彦)

「待つことの悦び」4回目。これで最後です。 うんうん、これこそ四方田先生の随筆です。 書物はゆっくりと成熟し、死が覚えずして来るのを憧れる。 30年前くらい前のエッセイです。 待つことの悦び 作者:四方田 犬彦 発売日: 1992/07/01 メディア: 単行本 待…

待つことの悦び 3(四方田 犬彦)

ヨモタ先生の「待つことの悦び」3回目です。 四方田犬彦先生といえば、なんといってもその博覧強記に裏打ちされた硬質な簡潔な文章が魅力。 これからの2回は、まさにそのヨモタ節全開です。 待つことの悦び 3 待つことについて、ぼくが知っているかぎりも…

待つことの悦び 2(四方田 犬彦)

昨日の続きです。 四方田先生の『待つことの悦び』から、「待つことの悦び」4連発。 待つことの悦び 作者:四方田 犬彦 発売日: 1992/07/01 メディア: 単行本 教科書に掲載されるなら、わたしはこの文章を推します。 待つことの悦び 2 忙しい、ということは…

待つことの悦び 1(四方田 犬彦)

部屋の整理をしていたら、四方田先生のエッセイが出てきました。 これから4日間は「言葉三面鏡」はお休みして、四方田先生の文章にそってものを考えたいと思います。 待つことの悦び 作者:四方田 犬彦 発売日: 1992/07/01 メディア: 単行本 『待つことの悦び…

話法

何でもかんでも直接話法で伝える人って、ちょっと頭悪そうに見えるよね、と友人が話していたのを思い出します。 確かに。 それに比べると、自分の言葉でまとめて間接話法で伝達できるひとは頭が良さそうに見えます。なるほど、その観点はなかったなあ、と社…

爆睡 

STAY HOME。 時間だけはたくさんあるので、積ん読状態の本の「爆読」でもしましょうか。 爆睡この言葉「爆睡」は、江口寿史の「青春爆発!!」(『Weekly 漫画アクション』1988年8月30日号)が語源だそうだ。爆発五郎が「青春は爆発ですよー」と叫び、なんでも…

申し訳ながる

こんな言葉、聞いたことありません。 申し訳ながる 「彼はね、昨日の夜、スーダンから返ってきたのよ。半年ぶりだわ」 しばらく置きざりにしたことを申しわけながるように、会話を説明してくれた。 (林真理子『アスクレピオスの愛人』) アスクレピオスの愛…

若葉する

こういう言い方、親は自分の子によくしますよね、「宿題しなさい!」とか、「ピアノやったの?」とか。 若葉する 桜の花が散り、葉桜となった。窓をあけると新しい今年の緑葉が目に優しい。 季節は若葉の頃。富士山を攻め挙げるように、周辺の森が下方から若…

あ  「めでたい」(デザイン「あ」)

ひらがなの始めの文字ですが、書くのは意外に難しいですよね。 わたしの子どもも、書けるようになるのに苦労していました。

付け加える

言いたいことを伝えるためには、レトリックが必要。 そういうの嫌いなんだけど、そうも言ってられませんね。 耳を傾けてくれる人が多くなると、こういう技術が必要になって来るような気がします。 付け加える まったくその通りで、付け加えることはないよ。…