2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「憧れる」はどう使う?

憧れる 「憧れる」という言葉の使い方の代表例は 小さい頃からスチュワーデスに憧れていました。 であろう。ところが次のような言い方がある。 「旅に出ます」書き置き机の上 ハーモニカ ポケットに少しの小銭 さよならの意味さえも知らないで ああ砕かれて…

騒音?

騒音 電車内のアナウンス、スーパー内のタイムサービスなどの放送など「音に鈍感な日本社会」批判があるが、それに対する視覚障害者の声。 「私たちは誘導してくれる音なしでは外出が難しい。音楽的価値だけでなく、どんな音でも必要なんだという障害者の立…

戦争反対を叫ぶよりも

戦争反対を叫ぶよりも 昔々のお話。無策の男たちの戦争をやめさせるために、若い夫人がギリシャの女たちの性的ボイコットを企てた。長く続く戦争のために禁欲を強いられて、男たちは参ったが、女性もしかり。切なくて戦士と女双方が和解。この紀元前411年の…

ジェフ・ヘストン(チャールズ・ブロンソン)の善行

善行 チャールズ・ブロンソンを乗せている車が、前方を横切ろうとしている盲人を見つけたので、運転している男が車を止め、降りて、盲人の手を引いて道を渡らせてやる。 帰って来た運転手にブロンソンが言う。 「天国に行けるよう一日一善か」 「善行じゃ足…

「あてない」? 五木ひろし『よこはま・たそがれ』から。

あてない 五木ひろし歌『よこはま・たそがれ』の歌詞に あてない 恋歌 流しのギター がある。「あてない、は変じゃない。あてのない、とか」と女ともだちに話すと、「わざとでしょう。美は乱調にありっていうから。」の一言。なるほど、山口洋子ほどの作詞家…

訳題あれこれ。

クロワッサンには、こんな小ネタも掲載されているんですね。 やっぱり、雑誌はおもしろいなあ。 クロワッサン 2018年8/25号 No.979[あの本を、もういちど。] 出版社/メーカー: マガジンハウス 発売日: 2018/08/09 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る…

「聞き倣(な)し」を

「聞きなし」、「聞き倣(な)し」という言葉を知ってますか? 聞き倣し 鳥のさえずりを人の言葉に置き換えて表すこと。動詞形は「聞き倣す」。 鶯のホーホケキョウは「法華経」。 ホトトギスは「てっぺんかけたか」また「特許許可局」。 コノハズクは「仏法…

ソローの「怒り、憤り」。

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー。 教科書でしか知らなかったこのアメリカの哲学者、大学時代に友人の愛読書だと知り、急いで大学生協で買い求めた記憶があります。以後、『森の生活』はずっとわたしの本棚にあります。 ソロー 国に抗議して税金不払いをした…

三越には、何でもあります。

さすがは三越。 品揃えは超一流です。 百貨店 何でもあるから百貨店という。その三越がストライキをやった。 新聞はすかさず「三越にはストライキもあります」。 department store の訳語としての「百貨店」、 わたしは上手だなあ、と常々感心しています。 …

あくび三題

「あくび」って、英語で「yawn」っていうんですよ。 これ、行動を写し取った言葉っぽいですよね。 「よ~ん」ってアングロサクソン系の人々が伸びをしている姿が目に浮かびます。 あくび三題 あくびがうつると三日の親戚 あくびを一緒にしたら三日いとこ (…

スズメ

鳩、カラスと並ぶ身近な鳥ですよね。 スズメ 野生のスズメの平均寿命は1年3カ月、というデータもあります。 スズメの少子化、カラスのいじめ 身近な鳥の不思議な世界 [ソフトバンク新書] 作者: 安西英明 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ 発売…

甘納豆

甘納豆、江戸の人気の甘味だったようです。 甘納豆 まずはその命名から。 柳家喬太郎著『江戸料理』によると、大角荳(ささげ)を使って甘納豆を作り「甘納豆糖」として売り出した。小豆を使わなかったのは、煮ると豆の腹が切れるので切腹を思わせ、縁起が悪…

「夢」について、とりとめなくあれこれと。 夢 (1) このごろの若者は、「夢」というのを「目標」のように考えているらしい。 (森毅『森毅の置き土産』) 森毅の置き土産 傑作選集 作者: 森毅,池内紀 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2010/12/22 メディア: …

乗る

乗る まず、ジョークから。 「お嬢ちゃん、自転車に乗れるかい」 「乗れるわ。飛行機に乗ったこともあるのよ」 「乗る」の語義が異なるおもしろさだ。が、笑ってはいられない。国語辞典を見ても、この面白さが解明できない。 「中学生になってやっと自転車に…

「おひとりさま」言い出したのは誰?

今ではすっかり定着した「おひとりさま」。 言い出したのは誰なんでしょう? おひとりさま (1) 上野千鶴子説 「最初に使ったのは上野千鶴子さんですよね、確か」 (東海林さだお 『ひとりメシの極意』) ひとりメシの極意 (朝日新書) 作者: 東海林さだお 出版…

ノサ言葉(小沢昭一)

再び、小沢昭一さんのエピソードを。 ノサ言葉 小沢昭一さんが子供の頃、ノサ言葉がはやったという。たとえば、「小沢君」は「おノサざわ君」のように無理やり入れてしゃべる。これだけではルールが、皆目わからない。それほど、いい加減なことば遊びだった…

道を知れる者

プロフェッショナル 保津川が嵐山あたりを流れると大井川と呼ばれたそうだが、その辺りから亀山殿の御池に水を引くことになった。土地の人たちに水車をつくらせたが、回らない。水車作りにたけた人を宇治から呼び寄せて作らせると、いともたやすく水車が回っ…

辞典にない意味だからこそ

辞典にない意味だからこそ 或る菓子工房の広告コピーです。あなただったら空所にどのようなコトバを考えますか。 サバサバした女性が甘い物好きだと 可愛く見えるから、( )。 少し考え込む方にはヒントを。 いつも女性客をそっと観察していて、その印象な…

星のない星空(井上陽水)

陽水、母が好きだったので聴き始めましたが、老いてますます盛ん。 創造力(想像力・妄想力)は衰えることを知りません。 その意味ではタモリさんと同じ。この二人の仲がよいのも納得です。 星のない星空 井上陽水の 『Final Love Song』 には「星のない星空…

高峰秀子と下山帽。

こういう言葉、たくさんありますよね。 下山帽 吉田戦車のコミックに、帽子屋に入って「下山帽をください」という一コマがある。登山帽はあるが下山帽はない。吉田戦車プロパーのツッコミに不意を突かれて快いが、落ち着いて考えると、「登山」は「登って降…

アホウドリ 語源から言い伝えまで。

今回はうんちくぎっしりです。 アホウドリ (albatross) アホウドリの生態を知らせるTV番組で、日本人少年の2人が外国人のアホウドリ専門家に「どうしてアホウドリっていうんですか。ほんとにアホウなの?」と尋ねていたが、これは和名から生じる誤解で、英語…

堀江謙一青年、アメリカでの評価の理由。

これ、おもしろい話です。 マーメイド号 堀江謙一青年はその小さなヨット『マーメイド号』でひとりぼっちで太平洋を横断した。 興味深いのは、この偉業に対する2つの見解。日本の新聞は「法令違反」「無謀な冒険」などと非難したが、アメリカは小型ヨットで…

ジグザグ(zigzag)

ジグザグ(zigzag) 英英辞典、英和辞典ではzigzagの折れ曲った直線形の見本として、WやZをあげている。国語辞典では、わかりやすく稲妻の形を引き合いに出している。 これをうまく使った広告がある。 When the world zigs, zag. (世の中があっちに行くなら、…

昔の遊びあれこれ(小沢昭一)

遊び 小沢昭一さんは「あの頃の子供のあそびはもう多種多様。いますぐ思い出すものでも」と言って76も挙げている。あなたが子供の頃遊んだ遊びやゲームがいくつありますか。なつかし~い!という声がきこえてきます。検索しやすいようにあいうえお順に並べ替…

三軒長屋

三軒長屋 明き店の左右かぢやにこなやなり (江戸川柳) 空き家を探したら両隣が鍛冶屋と粉屋だった。鍛冶屋も粉屋もともに大きな音を出す。この三軒長屋の真ん中にはいつも「空き家アリ」の張り紙。 落語『三軒長屋』は両隣に悩ませられる話。右が剣術の師匠…

スープを「食べる」。

これ、食事中に広がりそうな話題です。 スープを食べる 日本では「スープを飲む」というが、英語ではeat を使う。沢木耕太郎さんは 隣の口髭をはやした初老の男性が食べているスープがおいしそうに見えた。 と書いている。 一号線を北上せよ<ヴェトナム街道…

視覚障害者の猜疑心  

視覚障害者にとってのセカンド・オピニオンとでもいいましょうか。 そういうものが必要な時代はいまより殺伐としていたのかもしれませんが、しかしそんな時代でもたくましく生きていく姿が力強く浮かび上がります。 猜疑心 古川柳から。 二タ所で読ませる座…

ヘタ?

今日はちょっとした笑い話のようなものを。 下手 吉行和子さんは「民藝」の新人公演の練習最終日に、演出家から渡されたダメ出しの紙に「千代、下手すぎる」とあった。千代は吉行さんの役名。その冷たい評に頭の中が真っ白になった。しかし、それは「しもて…

一字下げ(indentation)   

文章作法の決まりごとは、テキストを読みやすくするためにあるのだと思います。 デザインもしかり。 本のデザイン、レイアウトは、読みやすさを助けるということに加えて、内容の補強という役割もあるのではないでしょうか。 一字下げ 日本語原稿用紙を使う…

『アンネの日記』異聞

今日はこの名作(と呼んでしまっていいものか)をめぐる話です。 増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫) 作者: アンネフランク,深町眞理子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2003/04/10 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 65回 この商品を含むブログ (79件…