『アンネの日記』異聞

今日はこの名作(と呼んでしまっていいものか)をめぐる話です。

 

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

 

 

アンネの日記』異聞

ドイツのある街で『アンネの日記』が上演されたとき、幕間の休憩時に席を立つ観客はいなかった。誰もが恥じていたのだ、という。

 

 オードリー・へップバーンはアンネ役のオファーを断った。その理由は「人種差別には胸がつぶれる思いを何度もしているのでアンネの役を演じるのは辛すぎる。」

吉行和子『ひとり語り 女優というものは』文芸春秋

 

女優というものは ひとり語り

女優というものは ひとり語り

 

  

 アンネの家は運河ぞいにあり奥行きが深かった。それで「表の家」と「裏の家」のように独立して見えた。その裏の家にアンネたちは2年1カ月隠れていた。それで『アンネの日記』がオランダで出版された時、書名は『裏の家』だった。

 アンネたちのこの裏の家、つまり隠れ家のことを感づいていた男は、事務所を閉めて帰るとき秘密のドアの床にコショウを撒き、鉛筆を立てておいた。日曜日の朝、コショウには足跡があり、鉛筆は倒れていた。この男が密告したのだった。 (『世界名作の旅 3』朝日新聞社より)

  

世界名作の旅〈第3〉 (1966年)
 

 

今、ギャオでやっている映画『アンネの追憶』ではこの隠れ家への通路は本棚で隠されている場面がある。8分30秒あたり。原作は A.L.ゴールド著『もう一つの「アンネの日記」。

 

アンネの追憶(字幕版)

アンネの追憶(字幕版)

 
もうひとつの『アンネの日記』

もうひとつの『アンネの日記』

 

 

 四方田犬彦先生がどこかでこの本について言及していたような気もするのですが、すぐにでてきません。気のせいだったのかなあ。