2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『エミリー・ローズ』

この映画の予告編、怖いよね。 主人公の女の子の体が変な風に曲がってていきなり悲鳴上げたり、 クラスメートが授業中に黒い涙を流したり。 で、この映画はそれがすべて。 誤解を恐れずに言っちゃえば、予告編を観ればそれで充分です。 監督とプロデューサー…

『誤読日記』、斎藤美奈子、朝日新聞社、2005年

いやはや、またまた声を上げて笑っちゃいました。 斎藤美奈子、本当に面白いなあ。 東浩紀の後に読んだから余計にそう感じるのかもしれないけど、 実にバランスがよい。 ベストセラー本を冷静に読んでみるころにより、 その「トンデモ」ぶりが浮かび上がって…

『不過視なものの世界』、東浩紀、朝日新聞社、2000年

東浩紀には、デビューの頃は注目していた。 しかし、時が経つにつれて興味がなくなっていった。 この本も最近になってから、 半ば氏のことを忘れていた時に偶然出会ったものだ。 どうしてぼくは興味を失っていったのだろう? それは、比較対象として妥当かど…

『DOG-FOOD』、監督田辺誠一、1999年

偶然中古店で出会い、破格の値段だったので購入。 田辺誠一は、大塚寧々と結婚したときは勝手に嫉妬していたが、 『HUSH!』を観て以来ずっとファン。 『約三十の嘘』もよかったし、安心して観てられる役者の一人です。 なので、わりと期待して観たんだ…

書評家としての高橋源一郎

高橋源一郎は書評が面白い。 ぼくは氏の本業である小説もけっこう読んだけど、 圧倒的に面白いのは書評の方。*1 高橋源一郎の小説は……はっきりいってぼくにはよくわからない。 もちろん、話の筋や書こうとしていることは ぼくなりに理解しているつもりだけど…

『ピアノ弾き乱入列車』、山下洋輔

[book] 『ピアノ弾き乱入列車』、山下洋輔、徳間書店、1988年山下洋輔の対談集。 山下洋輔には、こういう異種格闘技をやってもらうと面白い。 この本での対談の相手も、 中村誠一や赤塚不二夫、坂田明、日野皓正などの 古いなじみからのミュージシャン仲間か…

大人は楽しい、ELEPHANT LOVE

NO.1 自由 NO.2 パワフル NO.3 金持ち NO.4 セクシー NO.5 携帯 NO.6 メイクラブ 大人は楽しい yeah! 楽しくないなら早く大人に 楽しくないのは子供だから 楽しいときにはニコニコ 悲しいときにはメソメソ こっちのお水は甘いぞ カモン! 君は子供、大人どっ…

『天』(16)〜(18)、福本伸行、竹書房

この漫画は、あなたにとって人生の一冊になるかもしれない漫画だ。 人生に悩める人、毎日を辛いと感じている人はいますぐこれを読むといい。 『天』は、一言でいえば「麻雀漫画」。 連載していた雑誌も近代麻雀で、 主人公の「天」が打つ破天荒な麻雀と、そ…

斎藤美奈子4本勝負。

貪るように一気に4冊読んだ。 これまで後回しにしていたのを後悔する。 一気に読んだ本は、 1.『紅一点論』、ちくま文庫 2.『あほらし屋の鐘が鳴る』、文春文庫 3.『モダンガール論』、文春文庫 4.『冠婚葬祭のひみつ』、岩波新書 の4冊。 どれも…

『きょうのできごと』、監督行定勲

行定勲のぼんやりとした若者の青春・恋愛映画。 おそらく、若者の繊細な人間関係を描こうとしたのだと思うけど、 あまり成功してないと思う。 行定勲は『GO』のように、勢いのある演出が得意なのだと思う。 面白かった点。 個人的に、舞台が京都で、院生が…

エリントンを聴こう。

デューク・エリントンを聴く人、になかなか出会えない。 「ジャズが好き」という愛好家、それも数百枚単位で聴く人でも、 エリントンをよく聴く、という人にはなかなか出会えない。 これは自信をもって言えるが、多分、ジャズファンのレコードの棚には、 エ…

ルール制定

このブログのルールを新しく定めることにする。 [book][film][music][漫画][words][magazine][days]の七つのカテゴリを、 七日一週間に一日一つずつ書く。 順番はとくに定めない。 ただし、好きなとき、好きなようにルールをやぶれる。 七つのカテゴリは現在…

『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』、菊地敬一、新風舎文庫

初めてヴィレッジ・ヴァンガードを訪れた時、 「ぼくが求めていた本屋はこういう本屋だ!」と感じた… …ヴィレッジ・ヴァンガード信奉者のステレオタイプな一言だけど、 恥ずかしながらぼくもその内の一人。 もっとも、最近は金を使うのが怖くてあまり足を運…

『オニババ化する女性たち 女性の身体性を取り戻す』、三砂ちづる、光文社新書、2004

ベストセラーなので読んだ人も多いと思うが、 これは是非女性に読んで欲しい本だ。 著者は「リプロダクティブ・ヘルス」を中心とする疫学を専門とする研究家。 「リプロダクティブ・ヘルス」とは聞きなれない言葉で、 カバーでは「女性の保健」と柔らかく訳…

『神道入門 日本人にとって神とは何か』、井上順孝、平凡社新書、2006年

ある専門分野への入門書には2種類ある。 「切り口型」と「網羅型」だ。*1 「切り口型」は日常慣れ親しんでいるものの由来や特徴に注目し、 その分析・解説によって専門分野への通路を開くもの。 「網羅型」は文字通りその専門分野の一から十まで細かく説明…

『働くことがイヤな人のための本』、中島義道、新潮文庫、H16年

いや、参りました。 「健全な」解説(文庫の後ろについているやつね)の在り方、をみた。 この本、一冊の本として完璧です。 きっかけは最近の日課である本棚の整理。 中島義道の『孤独について』(文春新書)が出てきたので、 処分しようと思ってパラパラめ…