『誤読日記』、斎藤美奈子、朝日新聞社、2005年

いやはや、またまた声を上げて笑っちゃいました。
斎藤美奈子、本当に面白いなあ。
東浩紀の後に読んだから余計にそう感じるのかもしれないけど、
実にバランスがよい。


ベストセラー本を冷静に読んでみるころにより、
その「トンデモ」ぶりが浮かび上がってくるのだが、
その指摘の仕方(の悪口)が小気味よい。
どんな本でも、
「見取り読み」「脱線読み」「見立て読み」
「やつし読み」「鳥の目読み」「虫の目読み」「探偵読み」
「クロスオーバー読み」「ひらめき読み」「カウント読み」
という「誤読」をすることによって「面白く」読める、という方針。
まあ、誤読とは「詰まらない本をネタにするための読み方」のこと。
で、このネタにする方法が見事なのだ。


例えば、窪塚洋介の「新世紀NOA project 36『大麻』という箱船」
に寄せた感想。

何かいいたいことがあるんだろうな、ってことはわかる。
それだけしかわからないのが辛い。

あと、ドラマのノベライズ本やシナリオは
登場人物の顔も話し方も背景も頭にあるから、恐ろしく高速で読める。
これはもはや本でなく、ソフトと呼ぶべきだ、という指摘は面白い。


はっきりいって全ページ面白かったので、いずれまた読みます。


それにしても、加賀まりこ『とんがって本気』の

コンサバな生き方はバカを作ると思ってた

という一言はカッコいいなあ…。


誤読日記

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