2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『国家の品格』、藤原正彦、新潮新書、2005年

好きな物書きがダメになっていくのをみるのは辛い。 藤原正彦は、友人に薦められて『若き数学者のアメリカ』を 読んで以来のファンだ。 何より、自分の状況を相対化できる視点をもち、 それを人に面白く伝えることができる文章が好きだった。 『若き数学者の…

『We Love Free Soul』、30-35 Special Issue

説明不要、天下無敵のコンピ。 曲リストを挙げれば誰もが納得してくれるだろう。 #1 Brazilian Rhyme (Interlude) / Earth, Wind & Fire #2 If You Were There / The Isley Brothers #3 Miracles / Jackson Sisters #4 Thinking Of You / Sister Sledge #5 I…

『Three Street Worlds』, Two Banks Of Four

久しぶりに素晴らしい音楽に出会った。 『Three Street Worlds』によって、 ジャズ/クラブミュージックは新たな地平に到達した―― というのは大げさか。 しかしそれほどこのアルバムは素晴らしい。 編成はドラムがいなくて、ウッドベース,管楽器など他は全…

『言葉の常備薬』、呉智英、双葉社、二〇〇四年

批評家、呉智英の雑誌連載エッセイ。 いつもながら、日本語の誤用を指摘し、 時には論語まで遡って披露するetymology(語源学)は非常に勉強になる。 呉智英の評価すべきところは、限られたスペースでその知識を達意の文で綴り、 そして娯楽の読み物に仕上げ…

朝日新聞「語りつぐ戦争」投書(2005.11.23)

45年6月、陸軍中尉だった父が大阪の陸軍施設で空襲に遭って死んだ。 返ってきたのは血のついた鉄かぶととサーベルだけ。 そのわずか2ヵ月後、終戦となった。 残された母と4歳の私、1歳にもならない妹は、 神戸の祖父母宅に身を寄せた。 焼け野原の中、その…

『Sacred Concerts –Duke Ellington』

[music] 『Sacred Concerts –Duke Ellington』エリントンの映像は「面白い」。 ピアニスト、ビッグバンドの指揮者、作曲家など、 エリントンの音楽は様々な面から考えることができるし、 それらは本当に興味深く、そして美しい音楽なんだけど、 今日はその話…

LINKを更新。

何かにつけて引用する、山形浩生氏のホームページを[LINK]に追加。 無断リンクになるけど、氏も許可してるので問題なし。 というか、そのようにずるずるとつながっていくことを 推奨しているふしさえみられる。とにかく面白いページです。 知的な飢えを感じ…

『日出処の天子』、山岸涼子、白泉社

文句なしの名作。 この漫画を読んだことがない人は、一刻も早く読んだ方がいい。 この漫画について、山形浩生が見事な文章を書いてるので、 アドレスを引いておく。 特にこれに付け足すことはない。 というか、ぼくは山形氏のこの文章を読んで、 はじめてこ…

『マシニスト』、監督ブラッド・アンダーソン

なんじゃこりゃ。 これが観終った感想。 「1年間眠ってない男」なんてコピーに煽られて、 観る前から期待していただけにガッカリ。 構造が、まんま『ファイト・クラブ』。 といったら、もうそれだけでネタバレになっちゃうけど、 でも本当にそうなんだよな…

『ジョニー・イングリッシュ』、監督ピーター・ハウイット*1

『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソン主演の007・パロディもの。 ローワン・アトキンソンにも007にも特に興味はないけど (『Mr.ビーン』も観たことない)、 友人のすすめでみてみた。 けど……いまひとつだな。 基本的にこの映画の笑いは「ドタバ…

『グレン・グールド エクスタシス』

グレン・グールドのドキュメンタリー・フィルム。 グールドの死後に作られたもので、グールドのインタビュー、演奏の映像と、 批評家・友人達のグールドについてのインタビューで構成されている。 大げさに飾り立ててうそ臭い物語形式になってないのはいいけ…