『Sacred Concerts –Duke Ellington』

[music] 『Sacred Concerts –Duke Ellington

エリントンの映像は「面白い」。
ピアニスト、ビッグバンドの指揮者、作曲家など、
エリントンの音楽は様々な面から考えることができるし、
それらは本当に興味深く、そして美しい音楽なんだけど、
今日はその話じゃなくてエリントンの「映像」の話。
*1

ジョニー・ホッジズはダブルリップで吹いてるのがわかったり、
トランペットのプランジャー・ミュートの使い方がわかったり、
ハリー・カーネイの循環呼吸が見れたりと、
確かに演奏面でも勉強になることはあるけど、
ぼくがいいたいのはそんなことじゃない。
レイ・ナンスのあまりにダンディなエンターテイナーぶりや
(歌って踊れてヴァイオリンも弾けるトランペッター。
 しかも、どれもカッコいい!)、
エリントンの合図とバンドのタイミングが全然合っていないこと、
ポール・ゴンザルヴェスの長尺ソロの奇妙なノリ方や
エリントンはパンツの丈が短すぎること、
ハリー・カーネイの体のデカさ
などのこと。
これらは本当に面白い。
以前友人達と観て大笑いしました。

で、ビデオしか持っていなかったし、エリントンのDVDも欲しかったので、
このDVDを中古で買ったんだけど……これがヒドイ。
一言でいってしまえば、バッタもんです。
DVDパッケージにはエリントンバンドの演奏している写真ばかりあって、
題名は『Sacred Concerts Duke Ellington』。
これは誰でもエリントンバンドの演奏だと思うだろう。
しかし、実際はエリントン死後の白人バンド。
エリントン関係者はゼロ。
ひどいよ……。
よくみたら、

A musical event recorded in Lugano Cathedral
in honor of the 100th anniversary of
Duke Ellington’s birth

なんてのが小さく書かれていたり、
ピンボケ(わざと?)の白人バンドの写真があったりするんだけど、
それでもなぁ……。
演奏も特筆すべきものは無し。
ゲスト演奏でジョン・ファディスが吹いてるけど、
もちろんキャットのグロさには遠く及ばない。
キャットって、見かけも演奏もカタギじゃないよね。

発売元は韓国みたい。
ハングルで書いてあるから詳しいことはよくわからないけど。

このDVDが日本国内で発売されないことを強く願う。
いまは、なんとかしてこのDVDの元を取ろうと考えている。


Sacred Concerts [DVD]

Sacred Concerts [DVD]

ちょっとパッケージが違うけど、多分内容はこれと同じ。

*1:エリントンの音楽については、加藤総夫の『ジャズ・ストレート・アヘッド』が詳しい。エリントンの音楽について、素晴らしい解説が収められている。随分前に読んでるので、この本について書いておきたいのだけれど、内容が濃いのでまだまとめられずにいる。