2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『グレイズ・アナトミー』、アメリカ、1996年、ソダーバーグ監督(”GRAY’S ANATOMY”)

(昨日の続き) 『グレイズ・アナトミー』は、ソダーバーグ自身ファンであるという 「マスター・オブ・モノローグ」、スポルディング・グレイの、 文字通りモノローグ(独白)を90分間延々と撮影した作品である。 独白の内容はグレイ自身が経験した眼病とそ…

『スキゾポリス』、アメリカ、1996年、S.ソダーバーグ監督

衝撃の『オーシャンズ12』を観て以来、 ソダーバーグが僕の中で気になる存在でありつづけている。 特に悪印象もなく、むしろ好きな監督の中の一人だったソダーバーグだが、 『オーシャンズ12』を観て以来、僕の中でどう評価すればいいのかわからず、 どうに…

・ カテゴリ創設 (8.12) ・ 「06/08/19京都三条駅ビル店(大漁)」 (8.19)

『オーシャンズ 12』、スティーブン・ソダーバーグ監督

以前に書いたものだが、ソダーバーグについて記しておきたいので、 ここにもアップしておく。 … わざわざ映画館にまで行って観たくはなかったのだが、友人に強力に押し切られる形で足を運ぶことになる。 僕は『レイ』を観たかったのだが。 『オーシャンズ〜…

『レッツ・ゲスト・ロスト』("let's get lost")、アメリカ、1988年、監督ブルース・ウェーバー、89年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート

チェット・ベイカーの魅力を、僕はこのフィルムで知った。 スタン・ゲッツはずっと好きだったが、ウエストコースト・ジャズを 好んで聴くようになったのはここ数年のことだ。 そもそも、僕のジャズの入口とは後藤雅洋的「ハード・バップ」至上主義であり、 …

『これが僕の回答である。 1995-2004』、押井守、インフォバーン、二00四年。

キャメロン、ウォシャウスキー兄弟、そしてタランティーノを筆頭として、 世界の「マニア」な監督から圧倒的な支持を受ける、 映画監督押井守のエッセイ集。 彼の『攻殻機動隊』の映像・世界観が『マトリックス』に大きな影響を 与えたのはあまりにも有名な…

『A』、1998年、森達也監督

TVディレクターとして、数多くのドキュメンタリーを制作する森達也が、 オウム真理教(現アーレフ)の広報担当者・荒木浩を被写体とし、 社会とオウムの双方を撮り続けたドキュメンタリー映画。 オウムを絶対悪として描くことを強要するプロデューサーと衝突し…

『二十一世紀の資本主義論』、岩井克人、二〇〇〇年、筑摩書房

東大の経済学者、岩井克人の論文及びエッセイ集。 はじめて『ヴェニスの商人の資本論』を読んだときは、 あまりの面白さに眩暈がした。 バイト先へ向かう電車の中で、興奮しながら貪り読んだのをおぼえている。 氏の刊行本は本書であらかた読んだことになる…

『監督不行届』、安野モヨコ、祥伝社、2005年

『新世紀エヴァンゲリオン』などの、監督・庵野秀明と 『ハッピーマニア』のマンガ家・安野モヨコの結婚生活マンガ。 ヒットした『ダーリンは外国人』の宣伝文句が 「外国人の彼と結婚したらどーなるの?ルポ」だったが、 それを真似るならば「オタクの彼と…

『これがビートルズだ』、中山康樹、講談社現代新書

おおげさでなく、「一家に一冊」の本である。 この本は、なんとビートルズの全213曲について、 誰がvo.をとっているか、そしてその曲の成立事情などを絡めて解説がしてある。 『超ビートルズ入門』が「総論」又は「通史」であるとするなら、 この本は「各…

『ブルースの歴史』、ポール・オリヴァー/米口胡訳、晶文社、一九七八年。(”The story of the blues”, Paul Oliver, 1969, )

出会いはブックオフで即買い。 しかし読み通すのには長い時間がかかってしまった。 ポール・オリヴァーは名の通ったブルース研究家であるらしく、 ブルースの通史のような内容を期待していたのだが、 予想以上に学術的な内容で読むのに苦労した。 単にブルー…

『ミーンストリート』、1973年、アメリカ映画、マーチン・スコセッシ監督("Mean Street")

スコセッシ31歳の時の作品。 この映画は、スコセッシがデ・ニーロと初めてコンビを組んだ作品であり、 その意味で記念的な作品であるとよく述べられる。 手元の資料に目を落とすと、 確かに、デ・ニーロはこの三年後の76年には、 圧倒的な『タクシー・ドライ…

【 きくちの楽屋 】 大学学部生からの研究室の先輩、菊地建至さんのブログ。 哲学・倫理学が専門の研究分野で、関西圏で広く活動中。 このブログは授業と連動した内容などが中心で、 「哲学」といっても難解な感じではない。 受けたことはないけど、授業では…

『DEATH NOTE』⑦、原作 大場つぐみ 画 小畑健、集英社

最悪の場所から抜けられないという『カイジ』から設定を借りてビルドゥングス・ロマンを注入した19世紀的回帰が『彼岸島』なら、同じく『殺し屋1』における主体の不在に『スカイ・ハイ』を思わせる仮想の相談相手や会議という場所を与えて部分的に主体論を…

浦沢直樹

「STUDIO VOICE」の特集はとても重宝している。 今回は漫画特集だ。 興味深く読んだものがいくつかあった。5/10, 5/28, 6/2, 7/1と浦沢直樹について書いてきたが、 それとほぼ同じことがSTUDIO VOICE(2005.JUNE)に書かれていたので引いておく。 ニューウェ…

『被差別部落のわが半生』、山下力、平凡社新書、二00四年

現奈良県議会議員の、被差別部落出身である著者の自伝。 各雑誌・新聞の書評などで取り上げられ、そのあらすじと書評の反応から、 読む前にして面白いだろうという期待はあったが、期待を裏切らない本だった。 この本は広く読まれていて、それは、去年(2004…

『I'm tryin’ to get home』, Donald Byrd, 1964, Bluenote(4188)

私のこれまでの人生で悔やまれるのは、中山康樹と四方田犬彦、そしてドナルド・バードに10年早く出会えなかったことだ。 だが、「10年早く出会えなかったこと」を悔やむよりも、「10年遅くても出会えたこと」に感謝すべきなのだろう。 このアルバムは、年季…

『The Fantastic Plastic Machine』, Fantastic Plastic Machine, 1997年、日本コロンビア(*********record)

The Fantastic Plastic Machineアーティスト: Fantastic Plastic Machine,パット・サーキュエイラ,ジョー・ジャクソン,ライラ・フランス,Tetsushi Hiruma,田中知之,Takeo Sasada,福富幸宏,リチャード・キャメロン,砂原良徳出版社/メーカー: 日本コロムビア発…

『ガリヴァー旅行記』、スウィフト、岩波文庫、平井正穂訳、一九八〇年

("Gulliver’s Travels", Jonathan Swift, 1726) ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)作者: スウィフト,Jonathan Swift,平井正穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1980/10/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (50件) を見る 『ガリヴ…

『ハリーとトント』、1974年、アメリカ

恐らく、僕はこの映画を何年おきかに観続けるだろう。 数十年後、仕事を引退したときに昔を想いだしながら観たくなることだろう。 そんな気にさせる映画なのである。 一言でいえば、老人と茶猫のアメリカ横断ロード・ムービー。 ニューヨークの市政の関係で…

特に面白かったものには、@を付けている。 分野別のリストは こちら へ。 @ 『ガリヴァー旅行記』、スウィフト (2005.4.12) @ 『被差別部落のわが半生』、山下力 (4.15) ・ 『ブルースの歴史』、ポール・オリヴァー (4.20) @ 『これがビートルズだ』、中…

特に面白かったものには、@を付けている。@ 『ハリーとトント』、1974年、アメリカ (2005.4.11) ・ 『ミーンストリート』、1973年、マーチン・スコセッシ監督 (4.19) @ 『A』、1998年、森達也監督 (4.24) @ 『レッツ・ゲスト・ロスト』、1988年、アメリ…

特に面白かったものには、@を付けている。@ 『ザ・ファンタスティック・プラスティック・マシーン』, The Fantastic Plastic Machine, 1997 (2005.4.13) @ 『I'm tryin’ to get home』, ドナルド・バード, 1964, Bluenote 4188(4.14) @ 『オン・アンド・…

特に面白かったものには、@を付けている。 @ 『監督不行届』、安野モヨコ (2005.4.22) @ 『スラムダンク ―あれから10日後』、井上雄彦 (5.5) ・ 『デス・ノート⑥』/原作 大場つぐみ 画 小畑健 (5.6) ・ 『ギャラリーフェイク』32巻、細野不二彦 (5.9) ・…

特に面白かったものには、@を付けている。 ・ 『BASS MAGAZINE』、リットーミュージック、2001年3月号(2005.5.28) @ 『STUDIO VOICE』(2005.JUNE)、特集 最終コミックリスト200 “00年代マンガのすべて” (7.10) ・ 『H』「タイガー&ドラゴン特集号」 (…

@が付いてるものは、特に好きなもの。@ 「書くことについて」(四方田犬彦) (2005.5.25) @ 「クラブミュージックについて」(藤本一馬) (6.25) @ 「人間の価値」、(『ハイ・フィデリティ』) (7.4) ・ 『モーターサイクル・ダイアリーズ』、2004年 (7…

特に面白かったものには、@を付けている。・ 「情熱大陸・菊地成孔」 (2005.7.3) @ 「ミヒャエル・ゾーヴァ展」 (7.9) ・ 「ルパン三世 天使の策略(タクティクス)」 (7.22) @ 「ノーナとHiPPY CHRiSTMAS 2005」 (12.18) ・ 「下北サンデーズ評」 (2006.…