『DEATH NOTE』⑦、原作 大場つぐみ 画 小畑健、集英社

最悪の場所から抜けられないという『カイジ』から設定を借りてビルドゥングス・ロマンを注入した19世紀的回帰が『彼岸島』なら、同じく『殺し屋1』における主体の不在に『スカイ・ハイ』を思わせる仮想の相談相手や会議という場所を与えて部分的に主体論を回復した逆戻り。ただし、ノートに名前を書キコするだけという殺人の主体としては中途半端=<『殺し屋1』と『ザ・ワールド・イズ・マイン』的ジェノサイドの中間で彷徨う自我>があっさり吸収されたと。(三田格

……同誌の三田格の文章は、この『DEATH NOTE』についてのものに限らず、
膨大な知識と引用が詰め込まれており、非常に濃密だ。
DEATH NOTE』は確かに面白いし、私も続きが楽しみな漫画なのだが、
何を言わんとしているのか、そしてどう評価すべきなのか、
私はまだ判断することができない。
そう、ノートに名前を書くのは恐らくネットの掲示板の隠喩であり、
ナイフを持って大量殺人に走る前の段階の人々の無意識が向かう先と
されていることもわかるのだが……。


DEATH NOTE (7) (ジャンプ・コミックス)

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