『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』、菊地敬一、新風舎文庫

初めてヴィレッジ・ヴァンガードを訪れた時、
「ぼくが求めていた本屋はこういう本屋だ!」と感じた…
ヴィレッジ・ヴァンガード信奉者のステレオタイプな一言だけど、
恥ずかしながらぼくもその内の一人。
もっとも、最近は金を使うのが怖くてあまり足を運んでいないんだけど。
ぼくにとって魅力的なアイテムが揃いすぎてます、本当に。


本書は、「遊べる本屋」ヴィレッジ・ヴァンガードの創業者、
菊地敬一のエッセイ集。
図書館流通センターが発行している『週刊新刊全店案内』
(いわゆる業界誌ですね。)に連載されたものを集めたもの。
その経営する店のイメージから、さぞかし個性的な人物かと思ったのだが、
この本を読む限り、ざっくばらんな性格の、
しかし少し頑固なオジサン、という印象。
その意味で少し安心…いや、やはり少し残念なのかもしれない。
視点も内容も凡庸、あと少々文章表現が気になる。
ぼくの好みかもしれないけど、(笑)はやめてほしい。
いや、

大学を卒業して、商品取引の会社に入社。
3ヶ月は我慢したが、先物相場のからくりを何十回聞いても理解できず、
修羅場のような職場を後にした。

なんて経歴には親近感を持つし、

形骸化したカウンター・カルチャーのオシャレな部分だけすくい取って
ソフトカウンター・カルチャーなるものを
ライフスタイルの一部にしたがる若者が少なからず存在する。
V・Vはそれらの若者を騙して(笑)商売しているところが少しあります。

という自覚があるのは素晴らしいけど、
どうもいまひとつ入り込めなかった。


安定しているといえば安定している文章だし、
なによりヴィレッジ・ヴァンガードは大好きなんだけどなあ…。


いまひとつ入り込めないのは、
ヴィレッジ・ヴァンガード」を「V・V」と略したり、
(笑)にみられるような細かいところなのかな。


それにしても、やはり名古屋はヘンなところだな。
V・Vも第一号店は名古屋。
こんなこと言ったら、「名古屋差別だ!」と怒られそうだけど。

ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を (新風舎文庫)

ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を (新風舎文庫)