話法

何でもかんでも直接話法で伝える人って、ちょっと頭悪そうに見えるよね、と友人が話していたのを思い出します。

確かに。

それに比べると、自分の言葉でまとめて間接話法で伝達できるひとは頭が良さそうに見えます。なるほど、その観点はなかったなあ、と社会人になりたての頃に感心しました。

話法

 英文法の「話法」の「間接話法と直接話法」を思い出すと、たとえば、say は直接話法にも間接話法にも使えるが、tellは直接話法には使えず、間接話法だけに使う。

 ところが、日本語ではこの区別はない。手元の新聞から拾ってみると沢山ある。  

「訴える、語る、答える、こぼす、述べる、話す、非難する、表明する、称賛する」どれも、話し言葉、書き言葉ともに使われている。

 

NHK大河ドラマ麒麟がくる帰蝶役を演じる川口春奈さんは「相手によってさまざまな表情になる帰蝶をおみせできれば」と語る

(『週刊T&T2020.3.20

 

中には「…(言って)~する」の省略型もある。

話し合い解散に否定的なベテラン議員は「谷垣氏は(野田)首相に乗せられてはいけない。話し合いなど何もいいことはない」苦虫をかんだ

京都新聞2012.3.2㉞)

 

このタイプの他の例。「…と意気込む、…と声を詰まらせる、…と心配する、…と反発を強める」など

 

このように並べてみると、一目瞭然、お分かりのように、この「…と」は、英文法でいう「話法」ではくくれない。「引用のとでも言っておきましょうか。