『僕は散歩と雑学が好きだった。』 小西康陽のコラム_04

これは共感できる人とできない人がいると思うけど・・・。
さすがレコード人の考えることは一般人とは違うなあ。


ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008

ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008

音楽配信

 正直、iTunes Music Storeのシステムには、いろんな不満はあります。一番の不満はね、「廃盤」というものが無いこと。「期間限定発売」とか、ボーナス・トラック付きの盤は売り切れたとか、そういうことが出来ない。一度リリースしてしまうと、それは永久にカタログに残る。じつは、その「永久」という謳い文句自体が、もう欺瞞なんですけどね。なぜなら、たぶん、もっと新しいシステムが出来たら、アップルは過去のカタログを捨てると思うから。でも今のところは、廃盤というシステムはありません、という姿勢を取っているんです。廃盤にならない音楽なんて、僕はおかしいと思う。
(「インタヴュー嫌い」 156頁(クイック・ジャパン 2006年4月))

これ、もう少し説明してほしかった。
エリック・ドルフィーの有名な言葉、

「あなたが耳にした音楽。それは宙に消えてしまい、とどめていることなどできない。」
"When you hear music, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again."

に通ずる意味なのか、それともレコード蒐集家としての希少盤への愛情からくるものなのか。
すごく深い言葉のようにも聞こえるし、ものすごく浅い言葉にも聞こえるのである。


LAST DATE ラスト・デイト [12

LAST DATE ラスト・デイト [12" Analog LP Record]