『ぼくは散歩と雑学が好きだった』 小西康陽のコラム_06

ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008

ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008

プロの仕事はズルい

簡単なことですよ。プロの料理人て実は何使ってるかわかんないじゃないですか。化学調味料が入っているかもしれないじゃないですか。でもそういうのを分かんないようにして出すのがプロなんです。家庭で本当にいい材料を全国からお取り寄せしてすごいおいしい料理を作ったとしてもそれはプロの仕事ではないんです。
(金沢情報誌 ZOUSS 2004年12月号)

「インタビュー嫌い」から。

いいモノ使っていいモノ作る、のはたしかに当たり前の話。
プロはどんな材料からでも、いいモノ――少なくとも売り物になるものを作ることができるのだ。

音楽に関して言うと、例えば学生で毎日音楽ばっかりやってるようなバンドだと、
まれにスゴイライブをやっちゃうことがある。
普段は60点前後の演奏なのに、1年に1回くらい80点くらいの演奏しちゃうみたいな。
でも、プロはどんなバッドコンディションでも毎日75点の演奏をする。
最低なハコでも、メンバーの半数が二日酔いでも、必ず一定の質を保った演奏をする。
それがプロというものだ。

アイドルのプロデュースとか、リミックスの仕事もおんなじ。
そういうことをいいたいのだろうなあ。