(68/100) 『EV. cafe 超進化論』、村上龍+坂本龍一、講談社文庫、一九八九

EV.Cafe  超進化論 (講談社文庫)

EV.Cafe 超進化論 (講談社文庫)

学生の頃に読んだときは、その多様な固有名詞に圧倒されて、
とにかく話題のテーマについていくのにせいいっぱいだったけど、
いま改めて読んでみると、内容としてはどれも表層的で大したことない。
対談の悪いところが出ちゃってる本です。

浅田彰を招いて鼎談してて、坂本龍一浅田彰が「ジャズが好きなやつは耳が悪いやつだ。あんな音程のひどい音楽は聴いてられない」とジャズをdisってたり、日本的なものを嫌い、浪曲が暗くて嫌だったと言う村上龍に「浪曲はそんなに暗い音楽じゃないよ。けっこう明るい」と突き放す感覚を覚えている。
ジャズは好きだけど、この2人の言うこともわかるなあ。
クラシックの教育をきちんとした人が聞くと、ピッチにしてもリズム・テンポとか聴いてられないのだろう。
一方で、グルーヴという観点から聴くと、クラシックもどうかと思うけどね。


さて、もう一度、浅田彰の「金属」と蓮實重彦の「凡庸」だけ読んでから処分することにしようか。

凡庸さ
蓮實重彦を読み解くキーワード。
「問題」というものの成立そのものの中に既に解決への虚構が芽生えており、従って解決への態度を貫こうとすれば、「問題」という虚構の物語に沿って生きてゆく他はなく、むしろ解決や「問題」という設定を宙吊りにすることで、「問題」そのものをはぐらかし、目をつぶったまま表層の感覚をいっせいにおし拡げているだけで事態を把握し得るという凡庸な態度をとりつづける以外に「問題」というものの問題は捉えられないだろうといった態度のこと。

追記
この本、最近になって続編出てたのか、全くチェックできてなかった。
Amazonのレビューもなかなか賑わってる。
Kindle Unlimitedなら無料なのか…。
最近、割と真剣にKindleの導入を考えてます。