[music] 『THE LATIN KICK』, Gerardo Frisina(2)

 [music] 『THE LATIN KICK』(2), Gerardo Frisina, Schema, 2005

昨日のGerardo Frisinaの『The Latin Kick』について補足。
Remix#176(特集「Italian New Jazz & Bossa」)より引く。

Gerardo Frisina Biography
1962年、イタリア南部のレッジョ・ディ・カラブリア出身の43歳。
9人兄弟の家庭に生まれ育ち、6歳のときに家族とともにミラノに移住。
14〜15歳の頃から家計を助けるために夜間の学校に通いながら働き始め、
バー、美容院、旅行代理店、出版社など、様々な職に就いたという。


「日中働いた分の給料は家族に渡さなくてはならないので、
 レコードを買うためによく残業したものです。少し小遣いができると、
 決まってレコードを買っていました。
 音楽に対する情熱は子供の頃からものすごく強かったと思います。」
  (remix#168)


最初はフィリー・ソウルに夢中になり、
その後、学校の先生の影響で
ジャズにどっぷり傾倒していったという彼は、
のちにレコード・コレクターとして
イタリア国内のみならず世界的に名の知れた存在に。
ある時期はミラノ郊外にレコード店を構えていたこともあるという。
彼のその膨大な音楽知識は、
〈SCHEMA〉のサブ・レーベル〈REARWARD〉からリリースされた
ジャズのレアな名盤の再発シリーズのコンセプターとしても
存分に活かされている。


レコード・ディーラー兼DJとして活動していたジェラルドが
本格的に音楽制作を開始したのは1996年ごろからで、
まずはネオス(NEOS)というプロジェクトに参加して
〈SCHEMA〉にアルバム『Indefinita Atmosfera』を残している。
ジャズとブラジル音楽の要素をクラブ・ミュージックの中に
大胆に導入したこの作品は、
高い評価を得たもののセールス的には不発に終わり、
その後、彼はソロ・アーティストとして独立。


2001年に〈SCHEMA〉から1stアルバム『adlib』をリリースした。
そこにはラテン・ジャズ・センス溢れる
グルーヴィーなサウンドが展開されており、
生演奏を中心とするオーガニックな響きと、
プログラミングによるグルーヴ感が
絶妙なバランスで溶け合った名作ではあるが、
ジェラルドは「まだまだ試行錯誤段階でした」と語っている。
そして2003年12月には、2ndアルバム『Hi Note』をリリース。
この作品でサウンドのクォリティーは飛躍的に進化し、
彼のプロデューサーとしての人気と評価は決定的なものとなった。

好感が持てる経歴だ。
特に出自がレコードヲタクなところとかね。


The Latin Kick

The Latin Kick

ラテン・キック

ラテン・キック