『Dynamite』、Jamiroquai、2005年(2)

(昨日の続き)A……Auggie, O……Oh!矢(Auggieの知人)


O:でも、僕は結構好きだよ? このアルバム。


A:僕も嫌いじゃないですよ、悪くないと思います。
  でも……あまり刺激は受けないなぁ。


O:刺激ねぇ。
  #12の「Time Won’t Wait」なんて結構いいじゃない。
  個人的にはかなりヒットしたんだけど。


A:ああ、いいですね。
  ホーンの使い方もカッコいい……でも、普通のファンクですよね。
  あえて今作って、そしてそれを評価することも無いんじゃないですか。


O:厳しいな。確かに真新しさは無いかもしれないけど。


A:そうですよ。#12はFree Soulそのまんま。
  いい曲だとは思うけど。
  更にいうと、このアルバムはシングルカットできるような強力な曲が無い。


O:それはそうだな。
  一応、#1の「Feel Just Like It Should」が
  第一弾のシングル・カットらしい。


A:英断ですよね。あまりヒットはしないでしょう。
  #1は、新しいことをやろうとしてるってことは認めますけど、
  今度は曲の力がないんだよなぁ…。
  僕なら#10の「Black Devil Car」かな。
  これはちょっと面白いし、キャッチーだし。


O:それもいいね。
  でも、お前は厳しいな。僕は普通によかったんだけど。
  最近、ファットボーイスリムを集中的に聴いた後だったもんで、
  ジャミロの作りこみの丁寧さに感動した、ってのもあるのかもしれない。
  アンダワとかとベクトルが違って新鮮に感じたのは確か。


A:なるほど。
  僕は、あえてバンド編成でダンスミュージックを追求するっていう
  姿勢は評価しますよ。
  でも、それならDerrick! 
  Derrickのハットとかシンバル・ワークをもっと聴きたかった…。


O:確かに。
  今回、ドラムはボトムを強調してて、シンバル系はあまり目立たないね。


A:ジャミロを聴く楽しみの一つですよ、Derrickのドラムは。
  個人的に、Derrickを聴くとトニー・ウィリアムスを連想するんですよね、
  『Traveling〜』とか特に。


O:ふーん。


A:まあ、でも、いろいろ文句をいったけど、
  とりあえず「ジャミロ色」がきっちり出てるところは評価してます。
  今回のアルバムは、ちょっと聴けばどの曲でも「ジャミロの曲だ!」って
  分かりますよね、JKの声を聴かなくても。


O:それはあるね。なんだろう? ヘンなベースのせいかな?


A:あとストリングスの使い方とか。
  こういうのって、言ってみればオリジナリティだから、大事なことです。
  ただ、マンネリに陥りがちなのも確かなわけで…
  …サザン然り、ドリカム然り、オレペコ然り……。


O:その通り。
  ところで#9の始まり、おかしくないか?
  なぜか左チャンネルだけから始まって、途中からステレオになるけど、
  その必然性が全然無い。


A:そうですね、これは僕も気になってました。ヘッドホンで聴いてたので。
  ヘンていえば、ジャケット。これもなんかヘンですよね。
  モノクロだから雰囲気でてるけど、カラーだったら多分カッコ悪いと思う。


O:魚眼レンズかなんかで撮ったのかな? この歪みがいいね。


A:アングルのせいか、ポーズもなんかヘン。
  いわゆるジョジョポーズ。


O:バァーン! とか、ドッギューン! なんて音が欲しいとこだ。


A:ゴゴゴゴ……は合わないか。
  ライナーノーツというか、中のブックレットが
  JKの写真ばかりなのも気になりました。
  アイドル並ですよね、この構成は。


O:女性ファンを意識して……なのか?


A:なんかまた不満になりますけど、
  日本盤のボーナス・トラックの「Feels So Good」のKnee Deep Remix。
  ちょっと安直じゃないかなあ。 
  単に4つ打ちにしただけ、みたいな。


O:僕は輸入盤で買ったんでわからんな。今度聴かせてよ。


A:いいですよ。
  まぁ、まとまりなく僕が不満を言いつづけた感がありますが、
  こんな感じでしょうか。


O:うっす。帰ってもう一回聴いてみるか。


A:僕は次作に期待、ということで。
  帰って『A Funk Odyssey』聴こうっと…。


O:イヤミな奴だ……。

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