WALKMAN, NW-X1050 の衝撃（１）

SONY ウォークマン Xシリーズ 16GB ブラック NW-X1050/B

携帯オーディオプレイヤーは、WALKMANを使っている。
長いことこの携帯オーディオプレイヤーを使うことに抵抗があったが、
５月にＣＤウォークマンが壊れたのを機に買い換えを検討。
機種の吟味と資金調達に半年をかけて（主に後者）、
ついにこの11月にNW-X1050を購入。
使い始めてまだ２ヶ月足らずだが、これは確かに便利で楽しいおもちゃである。

結論を言うと、

WALKMAN NW-X1050はすばらしい！
音質もいいし、大容量だからWAV形式で保存しても自由に使える！

ということだが、これだけでは曖昧すぎてこの衝撃を伝えきれてない。
いろいろと言いたいことがあるので、忘れないうちに書いておこう。

まず、

「そもそも、なぜ携帯オーディオプレイヤーを使うことに抵抗があったのか」

について。

iPodの存在はもちろん知ってたし、
あんなに小さいボディに何千曲も入るのは便利だな、と思ってた。
部屋の中に溢れかえっているＣＤを管理できるのはとても魅力的だったし、
いちいちＣＤを何枚も持ち歩かなくて済むのには心が動いたが、
どうしても受け入れられなかったのは音質の問題。
具体的にはデータの形式だ。

一時期、この携帯オーディオプレイヤー*1が小型ＭＰ3プレイヤーなんて呼ばれていたことからも明らかなように、
何千曲も入るのは、形式を「軽い」形式にしているから。
市販のＣＤはWAVという形式で、これはＣＤ１枚で600〜800MBくらい。
MP3形式にするとその10分の１くらいに圧縮されるわけで、
これがあんなにたくさんの曲を入れることができる仕組み。
たくさんの曲を入れられるのは嬉しいけど、
圧縮する分、音質がある程度悪くなってしまうのは仕方がない。
わたしがiPodを使わなかった理由はこれだ。
こう書くとイヤなオーディオマニアのような感じだが、決してそんなことはない
（というか、オーディオマニアは携帯オーディオプレイヤーなんか使わないだろう）。
一度、WMAの音質のひどさに愕然としたことがあって、
それ以後は、音楽はWAVで聴くことにしている。
というのも、一番好きな音楽がジャズなので、どうしても音の生々しさが気になるからである。
ジャズには、
サックスの音を聴いて誰が吹いてるかあてる、「ブラインド・テスト」なんてのがあるけど、
それくらいプレイヤーの１人１人が個性的。
さらに、バラードなどのゆっくりな曲では、
ドラムのシンバルのサステイン（音の残り方。いや、音の「残し」方か）ひとつで
曲の印象が変わってしまうこともある。
ジャズじゃなくたって、クラブミュージックのいわゆる「音響派」の音楽も、
こうした音像はすごく大事な要素なんじゃないかな。

もっと前のMDが流行した時にはこれも試してみたけど、やっぱりダメ。
「確かにデータ量は4分の1だけど、人間の可聴範囲外の領域をカットしてるから、あまり違いはないよ」と、
こういうのに詳しい友人が説明してくれたけどダメだった。
というか、データ量が4分の1なんて聞いたら、むしろそのことが気になってしまう。
そんなわけで、携帯型の音楽を聴く機器はここ15年間ずっとCDウォークマン。
旅行や出張のときなどは、出発の前日に持っていく十数枚を吟味するのが面倒だったり
（反面、妙に熱中したりもする）、
鞄の中でCDがかさばるのが面倒だったけど、頑なにCDウォークマンを使い続けた。
「圧縮方法に気をつければ、MP3もずいぶん音質いいよ」なんていう説明も同じこと。
どうも、わたしには圧縮した音が平板に聞こえるのです。
奥行きが感じられないというか、「平たいはけでベタッと塗ったペンキみたいな音」
とでもいおうか。

音質が気になるのなら、WAVで聴けばいい。
iPodだってWAVデータ入るでしょ？

確かに。いや、詳しくは知らないけど、多分できるでしょう。
しかし、ここからはテクノロジーの問題で、
WAV形式で利用するなら、逆にiPodはあまり便利なツールではなくなってしまう。
当時の容量は1GBとか2GB。
CD１枚のデータ量が600〜800MBなので、WAV形式で保存すると2~3しか入らない。
2~3枚というのは、下手すると1日で聴く枚数だ。
だから、このプレイヤーを使うつもりなら、毎日データの更新をしなければならず、
これはひどく手間がかかるだろう。
これならCDを持ち歩いた方が便利だ。

これが、CDウォークマンを使い続けた、「容量面」での理由。
もうひとつ、わたしにとって同じくらい重要な、「システム面」での理由があるのだが、
これについては　次回　に。

SONY ウォークマン Xシリーズ 16GB ブラック NW-X1050/B

*1:長いなあ。量販店も呼び方に苦労してる様子がうかがえる。