WALKMAN, NW-X1050 の衝撃(2)



SONY ウォークマン Xシリーズ 16GB ブラック NW-X1050/B

SONY ウォークマン Xシリーズ 16GB ブラック NW-X1050/B


前回 は、音質にこだわるため、ここ15年間はiPodなどは使わず、
頑なにCDウォークマンを使い続けたことを述べた。
WAV形式で保存すればいいのだが、まだまだ携帯オーディオプレイヤーの容量は貧弱だったので、それならCDウォークマンの方が実質的には便利だったのだ。


今回はその続きで、以上の「容量面」以外の、
携帯オーディオプレイヤーを使うのをためらった「システム面」について書いておきたい。


「システム面」という呼び方が適切かどうかわからないが、
わたしが受け入れられなかったのは、
「何千曲という音楽をどこにでも携帯できる」という考えである。
大げさに言えば、これは思想上の問題だ。
何千もの曲が収録されているウォークマン…。
あなたは、そのすべての曲を聴くことがあるのだろうか?
いや、そもそもあなたはどんなCDが入っているのか、すべて理解しているのだろうか?
わたしには無理だ。
結局、何度も聴いたなじみのある音楽を繰り返し聴くようになってしまうのではないだろうか。
そして、新しく出会った音楽にも、
「とにかく放り込んでおけばいいや」という姿勢になってしまい、
挙句の果てには同じCDを取り込もうとしてしまうこともあるに違いない。
当たり前のことだが、自分でも正確に把握できない量の音楽は、
携帯しても管理できない。


これは、わたしにとって幸せな音楽との付き合い方ではない。


そう思ったから携帯オーディオプレイヤーは使わなかったのである。



もちろん、「何千曲もの音楽を一括して管理する」ことから、
新しい音楽の聴き方が生まれる可能性があるのはわかる。
というか、わたしはそれを推進したいくらいだ。
シャッフルにして聴けば、ランダムで曲が再生されることで、それまで考えたことのないような、曲と曲のつなぎ方を発見するかもしれない。
さらに、作曲者別、アーティスト別、曲名でソートしてシャッフルして聴いてみたりすると、
これまでに思いつかなかったような視点が得られるのは間違いない。


わたしが気に入らないのは、
携帯している音楽の中に一度も聞かない曲があることだ。
管理しきれていない、という状態が気持ち悪いのかもしれない。*1
「かもしれない」と書いたのは、自分でもこの結論は予想していなかったから。
そうか、そういうことだったのか…。


……なんか、自分がすごく保守的で管理的な人間に思えてきた。
本当はこういうことが書きたかったわけではないのだが、
一歩一歩考えていったらこうなってしまった。


うーん、このあたりは今後の課題にしておくことにする。
そもそも、このWALKMAN関係の記事を書こうと思った理由は、
今のところ、自分にとってベストな使い方を発見したからであって、
自己分析をはじめる気なんてなかったのだが。


ので、 次回 は本道に戻って、
今の自分にとってベストなWALKMANの使い方を書こうと思う。

SONY ウォークマン Xシリーズ 16GB ブラック NW-X1050/B

SONY ウォークマン Xシリーズ 16GB ブラック NW-X1050/B

*1:だから、ふだん使うiPodとは別に、軽い形式の音源ばかりの、それこそ何万曲もの音楽が詰まっている「シャッフル専用のiPod」というのがあると面白いかもしれない。そうか、『家電批評』で「ワーストバイ」に選ばれたiPodシャッフルはそういう風に使えばいいのか…