ノートブック

ノートブック 漫画家の小林エリカさんは 「最初の一頁に向き合う際のプレッシャーは計り知れない。絶対に失敗できない!」 (Premium 2015 July p.178) と悲壮な覚悟をおっしゃる。 糸綴じノートでは一頁破るとそれと対をなす反対側のページが取れてしまう。…

トンボ

いまの時代は、好奇心を持続させるのにも一苦労なんです。 トンボ トンボが前のトンボの尻に食いついて飛んでいるのをみかけたことはだれにもあるだろう。あれを何と呼ぶのだろうかと思っていたら「タンデム式につながった」というらしいことを寺田寅彦『柿…

「見迎え」と「出送り」

こういう風に、日常の言葉に対して素朴な疑問を抱くところから、ことばのセンスは磨かれていくのでしょう。 見迎え 「見送り」があるのだからその反意語の「見迎え」もあるだろうと期待して、いくつかの国語辞典を開いて見たが出ていない。 ところが、何たる…

アリについての覚書。 蟻 (1) ≪熊谷守一という画家がいて、その人、病気のために外出ができないので庭のアリをずうっと観察しました。そして、気づいたのですよ。アリは左の2番目の足から歩き出すことに。≫(坪内捻転 京都新聞2011.10.2) (2) 大蟻の畳をあ…

子供の世界

子どもの空想の世界は自由です。 横断歩道の白い部分だけ踏んで道路を渡る、とか、 色のついたタイルだけ踏んでよし、踏み外したら海に落下! とか。 子供の世界 寺田寅彦の小品がある。 「気象学者がcirrus と名づけた雲がある。白い羽毛のようなのや、刷毛…

電話ボックス

震災以後、インフラとしての需要が見直されたみたいです。 設置してあるところを思い出せれば安心なので、近所にひとつあるとうれしいです。 電話ボックス 街から電話ボックスがなくなってからどれくらいの年月がたったのだろう。その電話ボックスについての…

骨(こつ)

不勉強ながら、意識したことありませんでした。 そうか、読み方によって意味が違ったんですね。 骨(こつ) かなり前のことだが、ABC朝日放送で、亡くなった三国連太郎さんのお別れ会が近く執り行われるというニュースのなかで、塚本麻理衣女性キャスターが …

主語はなくても文は立つ

そうなんですよ、これも日本語の特徴です。 イタリア語とかでも主語の省略はよくあるし、わかるときは特に書かなくてもいいんですよ。その方が文がスッキリして、十分意味が通るなら、主語は省略しちゃってもいいんです。 主語はなくても文は立つ 昨年12月10…

「すかいらーく」のロゴ

スカイラークのロゴ 4代目ロゴのひばりにはへそが描かれている。その理由として、「外食産業はお客様が生み育ててくれたもの」という考えを忘れないため、ひばりも進化し人格もつけられた。その象徴として『おへそ』が作られた」(『思わず話したくなる ロゴ…

ロで供養 

ロで供養 新聞を開くと目に飛び込んできた。 京の僧侶ら、ロで抑留者供養 (京都新聞2013.7.29) 供養は読経と決まっているのに、口でするなんて聞いたこともない。急いで記事を読むと旧ソ連つまりロシアのことだった。そういえばアメリカ合衆国は米、イギリ…

言い換える

言い換える いささか古い話だが、原発再稼働に関して安倍首相は 「基準に適合と認められた原発は再稼働を進める」 と述べていた。 ところが、2015年8月9日の長崎市記者会見で 「新規基準に適合すると認められない限り再稼働させない」 と言い換えた。(京都新…

難民ら

難民ら 鴨下信一著『昭和のことば』には、 「難民らがテント村を出て村に押しかけ…」 のニュースを聞いて 「いきなり頭を殴られたような気がした」 とある。その理由は、「難民ら」は「お前ら」「貴様ら」のように乱暴な言い方だからと述べている。私もそう…

辞書活用法

辞書活用法 向田邦子は、国語辞書を引くと、「恋女房」と「子芋」が並び、「手文庫」と「出臍」、「恋愛」と「廉価」が並んでいる。「結婚」の隣に「血痕」がならんでいてドキッとすると書いている。 この隣りあわせは、本屋の棚に並ぶ本の隣り合わせ、さら…

吉田茂逸話

吉田茂逸話 これもあちこちで引用される話のひとつだから、へえ~、初めて聞いたという人は、読書量がたりない。 戦後すぐの食糧不足の時、マッカーサーに食糧の提供を吉田茂が頼んだ。米がどの位必要かを尋ねられて350万トン。実際には170万トンで足りた。…

通り越した先には何があるのか

通り越した先には何があるのか ノーベル平和賞を与えられた米国オバマ大統領は核実験を行った。 それだけに今回の核実験は、失望を通り越して、強い憤りをもたらしている。 (投稿 奥村正男 67 京都新聞 2010.10.19) これももう一昔前のことですが、松本龍…