アリについての覚書。
蟻
(1)
≪熊谷守一という画家がいて、その人、病気のために外出ができないので庭のアリをずうっと観察しました。そして、気づいたのですよ。アリは左の2番目の足から歩き出すことに。≫(坪内捻転 京都新聞2011.10.2)
(2)
大蟻の畳をありく暑さかな 井上士郎
(3)
実直な蟻は臼の上でぐるぐると、いつまでも逆向きに廻り続ける。
(4)
寺田寅彦の観察。
人の背丈ほど伸びたコスモスの先端に蟻が数疋ずついる。身長の数百倍もある高さの茎頂上につぼみが出来たかを、どうしてかぎつけるか、不思議だと述べている。
(『柿の種』)