くじ
私の郷里では、仲間が悪いことをした時、「そんなことをしたらおおくじじゃー」といって囃し立てたものだった。「大目玉をもらう、ひどく叱られる」の意味で使っていたこの「くじ」の語源がよくわからないでいた。ところが、江戸時代の古川柳を読んでいたら、これに出会った。
顔見世の宵に出掛けてくじられる
この「くじ」は、穏やかではないが、大混雑の中でいたずらする、痴漢をする、とくに局部をもてあそぶの意味だという。次は動詞の例か。
御嘉礼だ くじれくじれと 十三日
御嘉礼は吉例で、日ごろの恨みを晴らす無礼講の日。十三日は煤掃き。
この日は無礼講で、やっつけろやっつけろと日ごろのうっ憤をはらしたり、
下女にいたずらしたり、からかったりしたという。
このあたりの事は田辺貞之助著『古川柳風俗事典』(青蛙房(せいあぼう))に詳しい。
「くじる」について、こんな記事を見つけました。
江戸時代の「色」文化は研究が進んでおり、ファンも多いようです。
なにか一冊読んでみましょうか。