(39/100) 『新聞をどう読むか』、現代新書編集部、講談社現代新書、昭和61年

新聞をどう読むか (講談社現代新書 (809))

新聞をどう読むか (講談社現代新書 (809))



「最初の婦人記者」(松岡もと子(羽仁もと子))や、
「最初の新聞小説」(仏、1842、ユージェーヌ・シュー『パリの秘密』、
日、1875、前田香雪、「岩田八十八の話」)などのコラムが面白かった。

日本の新聞の歴史は必ずしも明らかではない。
新聞の定義にもよるが、民間のニュース情報のメディアとしては、
明治以前に江戸や京都、大坂などで市中の落書や落首といわれる
風刺、批判が世論を反映していた。
江戸時代の読売瓦版はその発展で、木版の簡素な印刷物だが、
人々の関心をそそる情報を売っていた。
市中で得られたものにはほかにも相撲や芝居などの番付がある。


「新聞」という言葉が最初に使われたのは1854年安政元年)のこと。
鎖国を続けていた日本は、アメリカなどの圧力で開国へ動き出していた。
オランダ政府が、それまで各国事情を伝えてきた「オランダ風説書」の廃止を申し出、
それに代えてオランダの新聞を献上したいといったのである。
こうしてオランダの新聞やバタビヤ、南中国の新聞が日本に入り、
蕃書調所が翻訳に当たった。

「新聞社の系図」という各新聞社の系譜があるので、これはいずれアップしておきたい。