うーむ、これは興味深い指摘です。
小津監督にとって、女性のファッションは「どうでもいいこと」だったのでしょうか。
それとも、これも意図的な演出だったりして。
映画『東京物語』
原節子、三宅邦子、香川京子の三人が「白ブラウス+無地スカート」なのに着目して、中野翠は
三人の女は結局一人の女に過ぎないのではないか。一人の女がグルリと体を一回転させた、その間に見せる三つの表情に過ぎないのではないか。小津監督にとって、「個性」というのはその程度のものと見なされていたのではないか。
(中野翠『小津ごのみ』)
と、うがった見解を述べている。文芸や映画の批評家の発見は私たちへの挑戦なのだろう。
そう言われてみると、この映画へのオマージュでもある竹中直人監督作品ではどうなのだろう、と思いました。