石
石を蒐集して楽しんでいる趣味人がいる。映画では竹中直人初監督・主演『無能の人』がある。河原で石を拾い、売っている男竹中直人とその妻風吹ジュンが妻役で、味わい深い、いい作品だった。
世に石ほど憂鬱なものはない。
あゝいう寂しいものを
何故人間は愛で慕ふのであろうか。
寂しいから好きになれる。
石というものは飽かないものだ。(室生犀星)
各地で集めた石ころは手放せなかった。「石はほんとうはその場所から動きたくないのに、『大事にします』って私が連れてきちゃったから、そう簡単には捨てちゃいけない、のだ。 (吉本由美)
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竹中直人さんの映画は佳作が多く、わたしは本当に大好きです。
一般的にはつげ義春作品を映画化した『無能の人』や、荒木経惟夫妻を題材にした『東京日和』が人気作なのでしょうが、わたしはなんといっても『119』ですね。
この作品からは多くのことを学びました。音楽も忌野清志郎さんですし。小津安二郎監督へのオマージュが数多く散りばめられていて、同監督のファンなら、何度も楽しめる作品ですよ。どうも、DVDが再発されていないところをみると、バブル時代にタレントがテキトーに制作した一連の作品として扱われているのかもしれませんが、これ、本当にいい作品ですよ。というか、『山形スクリーム』はちょっとアレでしたが、それまでは本当に素晴らしい。チクチュウ、期待してますよ。