乳児から幼児への成長とは、「だっこの視点」から「おんぶの視点」への成長でもあるわけですね。
第三者の発見
おんぶされている幼児が外の世界を見るとすれば、母の肩越しに母と同じ方向・景色を見ていることになる。一方、母の胸に抱かれている乳児は向かい合っているので、目は母親を見つめている。その母親の顔で動くものといえば、目と口である。そして、おそらく母の目を見ているのだろう。
幼児はじぶんを見つめる母親の眼が別のものへと逸れてゆくのを追うなかで、自分でも母親でもない第三者、つまり三人称的な世界にふれるとは、よく言われることである。
こう言われて、母親の胸に抱かれている幼児と、母親に背負われている幼児の、育ち方の違い、つまり世界観の獲得の違いがあるらしいことに気づきました。
よくできてますね、こどもの成長というのは。
体力の問題として、こどもをずっと自分の胸でだっこするのは難しくなるので、自然とおんぶするようになりますが、そうすると今度は親と同じ観点から世界を見つめるようになる、と。
当たり前ですが、抱っことかおんぶ、長いことしてもらってません。
でも、この子どもの頃にしてもらった抱っこやおんぶ、絶対にみんなしてもらいたいはずで、そんな欲望を実現したのがローマイヤー先輩なんです。
抱っこがイヤな人はいません。
子どもでも大人でも、機会があったらなるべく抱っこしてあげよう。
そんなことを考えました。