ワインについてはまだまだ勉強中。
ずっと話していられるし、話を聞いていても苦痛ではありません。
ワイン
ワインに関しては一家言のある人は多いだろう。いや、一家言もっていなければワイン好きとは名乗れない、と言うべきか。
「ワインのない食卓は片目の美女」(フランスの諺)
「島で産するワインは、どこのでも強い」(塩野七生『想いの軌跡』)
「(ワインは)自然とのたわむれのうちにしか創りだせない芸術。王中の王」(開高健『新しい天体』)
『漂えど、沈まず。』の開高健氏がワインは「王」とおっしゃるのだから、ワインは男性なのか。名詞を男性名詞と女性名詞に分ける言語ではどちらに分類しているのだろうか。私としては王女であって欲しい。
映画『Zulu Dawn ズール戦争』Burt Lancaster, Peter O’Toole主演の冒頭部分。新任将校が、歓迎式のしきたりで、大きな杯になみなみと注いだワインを一気に飲み干せと命じられる。全部一気に飲めなかったらその場にいる将校全員にワインをおごれ、と。新任将校はグイグイ休みなく飲み続ける。将校たちが真顔になってみつめていると、最後の一口をわざと飲み残し「しくじった」と言う。そして付け加えて言う。「皆さんにワインを」を、と。 (2019.8.23)
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40を過ぎてからワインを楽しむようになりました。
それまでは、ワインについてボルドー/ブルゴーニュだとか、マリアージュ、シャトー〇〇などという世界とは無縁だと思っていて、敬して遠ざけていたのですが、真剣に飲み始めてみるとこれが実に面白い。美味しいのももちろんですが、テロワールやマリアージュは本当に文化的におもしろくて、ズブズブと沼にはまってしまいました。
その発端はこの本。
コミックエッセイに分類されると思いますが、この本は本当に名著。
この本に書いてあることを理解すれば、年季の入ったワイン好きの人と話ができるようになりますし、レストランでソムリエの言うことも理解できるようになります(というか、ソムリエと話をするのが楽しくなります)。
この本については、他のブログでも何度も言及しました。
例えばこの記事。
さて、引用文中の塩野七生氏の言葉はちょっとよくわかりませんが、開高健氏の言葉はわかります。まさにワインは自然とのたわむれによる芸術作品。真剣に味わおうとすると、量はあまりいらないんです。そこもわたしが好きなところ。
なので、引用文中の『ズール戦争』のエピソード、これもひとつの小咄として面白いと思いますが、「そんなにドバドバ飲むものじゃないんだけどな~」と思ってしまいます。
そういえば、中年サラリーマンのポルノ、『島耕作』シリーズでは、その『部長』編でワイン事業の話がありました。世の中ではこれでワインを勉強した、ワインが好きになった、という人も少なくないようですが、飲み方が「グビグビ……プハーッ!」といったあんばい。なんかバブル時代の雰囲気が漂っていて、好きになれないところです。
あ、名詞としてのワインの性別ですが、男性です。
フランス語なら le vin (ル・ヴァン)、イタリア語なら il vino (イル・ヴィーノ)、
ドイツ語なら der Wein (デア・ヴァイン)。
すべて男性名詞です。