寿司屋の符牒

通人ぶりたい気持ち、わかります。

でもまあ、専門の人からしたら「片腹痛し」なのでしょうね。

 

おあいそ  

先日回転寿司屋に入りました。さすがは国際都市の京都ですから外国人も多数いました。人を眺める楽しみをのんびり楽しんでいると隣の米国人(たぶん)客が「オアイソして」と言いました。店員が直ぐに来て積み上げた皿の枚数を数えています。が、「おあいそして」が間違った言い方だとものの本にはあります。ですが、通人ぶる人は後を絶たないようです。

本来は

客 「お勘定をお願いします」

店主「お愛想なしですみませんね。」

(レジの係へ)「3番さん、おあいそ ゲタ」

とこうなるわけです。

 

これをまねて「おあいそ!」と客が言って笑われるのは落語の世界では熊さん、現代では寅さんあたりでしょうか。いや、寅さんはこういうことには精通しているだろうから逆に叱られそう。

「おあいそ」は店側の符牒ですから、それを客が使うのは笑いの種なのだそうです。これを外国の人がまねて「オアイソヲオネガイシマス」と言わなければいいのです
が。
 ちなみに私は「お勘定を」と言います。でも自分の飲食代なのに「お」をつけるのはなぜでしょう。相手が「心をこめて」出すのだから「お」をつけるのでしょうか。
「勘定を」ではぶっきらぼうだと無意識に感じているのでしょうが、自分でも「お」をつけてしまいます。言葉遣いはやっかいだ。厄介だから面白い。

 

 

お寿司屋さんが自分で明らかにされている場合もあります。 

 

通人ぶるのが逆効果。

 

こんな本もありました。

すし屋の常識・非常識 (朝日新書)

すし屋の常識・非常識 (朝日新書)