ああ、自分に教養が無いなあ、と思うのはこういうときです。
不意打ち
不意打ちに声掛けたのは沈丁花 川端由子
そういわれてみればそうですね。金木犀は多少離れていても、その香りがゆっくりと漂ってきますが、沈丁花は曲がり角にあったり、垣根の木立の中に1本まぎれていたりで、すぐそばに行くまで気がつきません。それを「不意打ち」と驚いて、「声掛けた」とは言い得て妙ですね。新語を発明するより以上に、今ある身近な言葉を新たな文脈へ取り込むには観察する眼が大切だと思い至ります。
なるほど………ところで、「沈丁花」 ってどんな花でしたっけ?
・・・ああ、これか、「ジンチョウゲ」ですよね、もちろん知ってますよ、多分。
ついでに確認のためにお聞きしますが、「キンモクセイ」ってどんな花でしたっけ?
ああ、そうそう、秋の香り。びっくりしちゃうよね、町を歩いていると。
……って、ごめんなさい、花、植物のことはよくわかりません。
こういうとき、自分は教養、というか常識がないなあ、と思います。
あと、観光で社寺仏閣を訪れたときに、書がまったく読めないときとか、焼き物について何も言葉が出てこないとき。
でも、こういうとき、女性はすごいですね。
自分の感じたこと、感性でうまいこと言語化します。「キレイだけど、偉そうだからイヤや」とか、「ゴツゴツしてるけど、なんかカワイイやん!」とか。
こういう回路も、自分の中のどこかに残しておくべきです。