「キツネ」といえば「ハリネズミ」ですよ。
キツネ
老衰で狩りができなくなったライオンは洞窟の中で病気で弱ったフリをしている。通りがかった動物を捕まえて食べる。キツネは中に入らないので「どうしてだ」とライオンが尋ねると、「たくさんの動物が入った足跡はあるが、出て来た足跡がないからだ」。
キツネはズルイと言われるが、そうではなく賢いのだ。
「ずる賢い」というイメージのあるキツネは、イソップの「すっぱい葡萄」以来、あまりいいイメージがありません。しかし、わたしが連想するのはこの本の有名な言葉ですね。すなわち、「狐はたくさんのことを知っているが、ハリネズミは大事なことをひとつだけ知っている。(アルキロコス)」。
この言葉が独り歩きして、キツネ型は社会で成功し、ハリネズミ型は幸せをつかむことができる、などというように皆自由に解釈しているようです。
かくいうわたしも学生時代はこの言葉を気に入っていて、メールアドレスをこれにちなんだものにしていました。その意味に気づいたのは、これまで一人だけ。研究室の担当教官でした。嬉しくなって、ぼくはこの2つを統合するゼネラリストのようなことをしたいんです、と言ったら、君、それは「虻蜂取らず」で失敗するパターンじゃないの、とチクリと言われてしまいました。
仰るとおり。
でも、まだこの夢は諦めていませんよ。
スペシャリストが評価されやすい世の中ですが、いま必要とされているのは、そのスペシャリストに導くゼネラリストなんです。池上彰さんなんかまさにその典型じゃないですか。