パパラッチ
有名人を追いかけ隠し撮りしたりして私生活をスッパ抜く記者やカメラマンのこと。パパラッチpaparazziは複数形で、単数形はpaparazzo。
この言葉はダイアナ妃の事故死 (1997年) でにわかに日本でも耳目に触れるようになったが、そのずっと以前にイタリアの映画監督フェリーニの『甘い生
活 LA DOLCE VITA』 (1960年) が流行らせたらしい。
マルチェロ・マストロヤンニ演じるのがゴシップ屋。この映画のモデルでパパラッチの元祖といわれるのがタッチオ・セッキャローリ。彼はイタリアの写真家だったが1998年7月24日死去、73歳。
Tazio Secchiaroli (1925-1988)
その命名の由来はこう。
マストロヤンニの親友のカメラマンの配役名は、パパラッツォといった。その後、有名人スキャンダルを追いかけまわすカメラマンたちは、それにちなんで“パパラッチ”と呼ばれることになった。
藤原新也著『アメリカ』(1990,情報センター) には「盗み撮り屋のパパラッチ」とある。それなら、『ローマの休日』(1953年)のグレゴリー・ペックの相棒役カメラマン、アーヴィング・ラドビィッチ(エディ・アルバート)がピッタリ。
Eddie Albert, as Irving Radovich
三省堂『新明解国語辞典』の改訂版に初収録されたが編者は三晩悩んだ末に入れたという。そこには「ハエのようにぶんぶんたかってうるさい虫、の意」とある。
最近ではオスカー女優のニッコール・キッドマンがシドニーの自宅に盗撮カメラを仕掛けられ、パパラッチを裁判所に告訴し、暫定接近禁止命令(interim restraining orders)を勝ち取ったとAP電が伝えた。