クロワッサンのこの特集号、面白そうですね。
バックナンバーですが読んでみたい。
直訳と意訳
ジョセフ・ケッセル著『Le Tour du Malheur』は自分にとって青春の書だと女優岸恵子さんは言う(『クロワッサン』(2018. 8/25))。
この原題を直訳すると『不幸の出番』だが、新潮社発行の堀口大學訳は『幸福の後にくるもの』。原題を好むか、堀口訳を好むか。
「不幸の出番」訳ではどんな不幸だろうか、という不幸の内容は無数に考えられ暗澹としてくるが、「幸福の後にくるもの」では二元論では不幸だろう。けれども、奇を衒って究極の幸せかもしれない。半面どんな「不幸」なのだろかとこれまた気になる。
ジョセフ・ケッセルのこの本、復刊されてないみたいですね。日本では、もうあまり読まれなくなっている作家なのかもしれません。
そういう作家/本を、もう一度話題にして、人々の記憶の奥底から少しだけ引き上げること。クロワッサンのこの特集には、そんな効用もあると思います。