「性的な発言・行為」は、ハラスメントでなければ「セクハラ」ではない。
この定義もそういう解釈なのでしょう。
痴漢
辞典でその定義を見て驚いた。
明鏡国語辞典 電車内や夜道などで、性的ないたずらをしかける人。また、その行為。
新明解国語辞典 (夜道や込んだ電車の中などで)女性に性的ないたずらを仕掛ける男。
岩波国語辞典 女にみだらないたずらをしかける男。
- 作者:北原保雄
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: 単行本
- 作者:
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2019/11/22
- メディア: 単行本
3書とも「いたずら」と決めつけている。「痴漢は犯罪です」のポスターを、国語辞書編集者たちはどう考えているのか。
笑辞典を覗いてみると、
すしずめの電車の中などで、十センチほど動かした男の手が、運悪く女性の性感帯付近にふれると、その男は痴漢と呼ばれる。満員の乗り物の中では、男性は足を踏みつける以外は、女性にふれぬよう、いつも緊張している必要がある。
(郡司利男『迷解国語笑字典』)
- 作者:郡司 利男
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1963
- メディア: -
そういえば、『激烈バカ』という昔のマンガで、ニキビ面の男子高校生が笑みを浮かべて「新しいチカンの方法を開発した」と友人に誇らしげに語る話がありました。
その方法は、通勤/通学上の電車で、女性の足を踏む、というもの。
「どうだ! これなら、オレがチカンしてるってわからないだろ!」
「たしかになあ…でも、おまえ、それって何が楽しいの?」
深いなあ。
当時はクスッと笑ってそれで終わりましたが、これ、根が深いですよ。
その人の性的嗜好は、その人にしかわからないので。