タバコは……おいしいと思ったことはありませんし、趣味にしたこともありません。
ただ、猫の毛づくろいみたいなもので、
時間稼ぎやカッコつけの動作、アクションとしては羨ましいと思っていました。
すいません
「すいません。」
これはくだけた言い方で、正式には「すみません」です。「すいません」と「すみません」を声を出してしかも早口で言ってみると「すいません」の方が言いやすいことが分かります。同じ意味を伝えられるなら、言いやすい言い方を選ぶのが人情です。これは「言葉の経済」と呼ばれているようです。
100を「ひゃく」、200を「にひゃく」と発音するのに、300は「さんびゃく」と濁音になるのも言いやすいからです。300を「さんひゃく」と言うのは文法的には問題がなくても、日本語では誤りです。なぜ誤りなのかというと、「さんひゃく」とは言わないからです。文法を学ぶ上で、「言わないから誤り」ということは覚えておく必要があります。
さて、毎日のように言ったり聞いたりするこの「すいません」が国語辞典に出ていないのはどうしたことでしょう。もう市民権を与えて辞書に記録しておくべきではないでしょうか。英和辞典には正式・略式・口語・俗語など詳しくスピーチレベルが表示されているのに、国語辞典はかなり無頓着です。嬉しいことに、『明鏡 第二版』には「やや俗なくだけた言い方」とあります。広辞苑では「『済みません』の訛」としていますが、訛なのでしょうか。いつでもどこでも、美しい夫人も「すいません」とおっしゃいますが、なまっているのでしょうか。新明解、岩波国語辞典には見出し語すらありません。
次のように辞書に載せるのはどうでしょうか。
すいません 1 (口語)(a)[謝罪を表して]ごめんなさい。(b) [御礼を表して]ありがとう。 (c)[依頼を表して]あのー(注:あまり意味がなく前置きとして用いることが多い):すいませーん、このコロッケ3枚下さい。 [注] (a)(b)(c) 共に(正式)では「済みません」を用いる。
2【吸いません】[返答に用いて]喫煙の習慣はありません:「煙草はいかがですか」「いや、吸いません」。 [注] この意味では(正式)でも「すみません」と言うことはないが、「済みません」と言った場合は「ありがとうございます。せっかくですから、1本いただきます」の意味である。
追記第百生命は日本初登場保険として「ノンスモーカー保険 すいません」を1999年に発売した。
あ、今は「ノンスモーカー保険」は存在せず、一般に保険会社は契約者の健康状態を「非喫煙者健康体」「喫煙者健康体」「標準体」などに区分して保険料を算出しています。
…喫煙は、健康に悪影響を及ぼす。
それが医学的・統計学的なデータで明らかであるからこそ、各保険会社はこぞってこのような商品展開をしているのでしょう。