おまけ

ちょっとした一言なんですけどね。

おまけ

 ツアーで舞鶴を訪れ明治大正時代のレンガ造り倉庫などを見学し、自衛隊では海上自衛隊員と同じカレーライスと食べたりで満足した男性の投稿です。

帰路の列車町の駅では、タレントの西川ヘレンさんにお会いした。サインをお願いすると、色紙で郵送していただくことになり、西川きよし・ヘレン夫婦のユニークな色紙が届いた。いろんな勉強ができて、大きなおまけ付きの大満足の旅であった。

(投稿 井尻輝夫69京都新聞2012.1.14)

 

確かに、メインが舞鶴ツアーなのですから、その他のことは二次的・副次的ではありますが、西川ヘレンさんにとっては、不意の出会いでサインまでお願いされ夫とともに色紙したためて送ったのに「おまけ」と言われてその心情はいかに。

 

おまけに 条件が十分に満たされているところに、予想外の同種の条件が加わるようす。「ヨーロッパを回り、おまけにエジプトにまで足を伸ばす、欲ばりなコース」(『新明解国語辞典』)

新明解国語辞典 第七版 特装青版

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おまけに その上に、さらに。「暑いし、おまけに湿気が多い」/「まずい。おまけに値段も高い」(『明鏡国語辞典』)

明鏡国語辞典 第二版

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  • 作者:北原保雄
  • 発売日: 2010/11/26
  • メディア: 単行本
 

  

辞書の定義はこのようになっていますが、私なら「大きなおまけ付きの」は使わず、「思いもかけない嬉しい出会いがあって」などと書き表しますが。ヘレンさんのお気持ちはいかに。

 

思うに、この投稿者は、この予期せぬ嬉しい出来事を、なにか面白い表現で書いておこう、と思ったのではないでしょうか。で、「おまけ」とした。でも、やっぱり文脈を考えると少し失礼な感じにも読めてしまうんですよね、たしかに。

せめておまけはカタカナで書いたり、「」をつけたりして、普段とは違う意味で使ってます、ということを匂わせておけばいいのになあ、なんて。

「望外の『みやげ』までいただいた」とか、「予期せぬ僥倖に」あたりをかくと思います、わたしなら。言葉がたくさんあるのには、それだけの必要性があるからなんです。