矢先 

f:id:Auggie:20110828112619j:plain

いや、この違いは考えたことはありませんでした。

わたしはどちらの場合でも気にせず使っていたような。 

矢先

  「…しようとしていた矢先に」と口ごもられると、私は何かよくないこと、不吉なことを連想するのですが、よいことに使った例がありました。

京都市内で『川の流れのように』をもう一度上映しようと、準備をしている10月28日に、森光子さんが文化勲章を受賞というニュースが入ってきまたので、『森光子 文化勲章受賞記念上映会』とタイトルをつけました。先日も、ブラジルに渡った日本人家族の長女が日本においてきた妹に60年ぶりに再会というNHKドラマ「ハルとナツ」に出演し確かな演技を披露していた矢先でした。その森光子が37年ぶりに映画主演した作品がこの『川の流れのように』です。

(京都映画センター 友の会ニュース 2005/11)

 

  国語辞典を見てもわかりません。何度か指摘していますが、このような語法注記が国語辞典には皆無です。国語学では日本語コーパスで調べないのでしょうか。このような使い方は個人差がありますから、断言はできませんが、私には違和感があります。

 

「いいこと/悪いこと」という違いよりも、この言葉が話題に上るのは、むしろ「~しようとしていた矢先に」の「~しようとしていた」の部分で、「する前」なのか「した後」なのか、というところのようです。

 

そういえば、英語の文法の授業でもやりました。

接続詞 when の節内は過去形や過去進行形が使えるけど、主節では現在完了が使えないとか。そのような、時制に関する話はややこしかった。

やっぱり日本語にもあったんですね。「矢先に」はそのことを久しぶりに思い出した言葉でした。