卓球

この中国語訳は、わたしも前からおもしろいと思っていました。あまりの中国の強さに、勝手に発祥は中国だと考えていたのですが、違ったのですね。

 

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卓球

「卓球」のイメージは「暗い」が相場らしいが、そんな偏見が大手を振ってお笑いのネタにされ始めたのはいつのことだろう。英語で日常的には ping-pong [pɪ́ŋpɑ̀ŋ] というのは今さら言うまでもない。「ピンポン」とはとても軽快な音ではないか。 ping は擬声音で日本語では差し詰め「ピュ-ン、ピィ-ン」あたり。 pong は英語の音声学では ping から作った「加重形」というらしい。簡単に言えば「ピュ-ンと来たからポ-ンと返す」ということだ。

正式には table tennis と言うが、これはテ-ブルでするテニスの意だが、テニスとは似ても似つかぬものといった感が免れない(と私には感じられる)。

中国語ではユ-モラスだ。ピンポンは「乒乓」と書く。まるであの小さな白球が行ったり来たり、右往左往、こちらと思えばまたあちらという情景が彷彿して楽しい。

この「乒乓」と一脈通じるのが英語で、ping-pong には動詞の用法もある。口語表現だが、「あちこち動き回る、・・・ をたらい回しにする」の意味で使われるのだ。中国語は視覚から、英語はその「二色性」からの発想が面白い。

「卓球」と訳したのは城戸尚夫(きどひさお)。1997年 5月に鬼籍に入った。

想像するに、彼が訳したのは table tennis であろう。歴史に「もし」はナンセンスだが、それでも、もし彼がping-pong を日本語にしていたら、もっと楽しい、「明るい」スポ-ツになっていたかも知れない。あなたなら ping-pongを何と訳しますか?

 

うーん、「ping-pong」という名前だったら、やはり「ピンポン」としますね。それくらい、この名前はキャッチーでピッタリな名称です。 

 

で、この卓球、発祥は中国ではなくてイギリスなんですが、そもそもはインドの遊びだったとか。

 

「ピンポン」と聞くと、マンガ好きは松本大洋さんの『ピンポン』を連想します。

これ、確かわたしが高校生~大学生の頃に連載されていたような。

 

ピンポン 文庫版 コミック 全3巻完結セット (小学館文庫)

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美大生や「アート好きな人」が好むようなタッチや画風を敬遠して、長いこと松本大洋さんを読まず嫌いで敬遠していましたが、たくさんの人の支持を集める作品とはそれだけの理由があるもので、後年読んでみたらすぐにファンになってしまいました。

うん、王道のスポ根、素晴らしい青春マンガですよ。『鉄コン筋クリート』が「少年が男になる」王道の少年マンガの王道であるように。

 

この作品は実写になりました。

原作を尊重したキャスティングには誰もが納得。

ピンポン

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

様々なメディアで再生産されるのは名作の宿命。 

 アニメにもなりました。

 

ピンポン COMPLETE BOX(完全生産限定版) [Blu-ray]

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#1 風の音がジャマをしている。

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  • 発売日: 2015/12/18
  • メディア: Prime Video
 

 

これだけリメイクされるのは、やはりファンが多いからなのでしょう。 

あ、『ピンポン』から『鉄コン筋クリート』、そして『Go Go モンスターズ』で一息ついて、途中で挫折した『吾』とか読みたい。……でも、今の生活でこれしたら1,2週間こればっかりになります。

ああ、早く引退生活送りたいなあ。

 

鉄コン筋クリート (1) (小学館文庫 まC 5)

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余談ですが、松本大洋さんって、ペコにそっくりですね。

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