「ことば美人は一生の得」?

これはひどい

分類として、「これはひどい」タグをつけたいくらいです。

編集の筆が入らなかったのでしょうか。

 

『ことば美人は一生の得』

 いやー、驚きましたね。広瀬久美子著『ことば美人は一生の得』(海竜社)を図書館で借りて読んだ。元NHKのアナウンサーだし、タイトルが『ことば美人は一生の得』なので、ご本人がどのような美しい言葉遣いをしているのかと惹かれて読んだ。そして、本人が使っている言葉に私は恐れおののいた。

 

(1) 母親っ子だった私は、いつも傍(そば)に母親がいなくては気が済まず、姿が見えないと大騒ぎをするのだった。≫(p.12)

(2) もっと優しくものを言いなさいっ!」とカマしたいのをグッとこらえ、必死でノートに書きとめるのだが、ノートにきちんと書いたつもりでも、後で読むと、何を書いたのかさっぱりわからないことが多い。≫(p.72)

(3) 相手がなかなか理解しない場合、途中でキレたりしない。(p.73)]

(4)「そっちの言う通りにしていたら、おかしくなったわ。あら、動かない。厭だ~~。何とかして頂戴!」と怒るのだ。まったく返す言葉も見当たらない。後輩から教えてもらうのも、いろいろ言われるのもプライドが許さないのだろうか。なかなか「タカビー」(高飛車)なのだ。≫(p.75)

(5) 会社のエレベーターで、降りる私を後ろからどついて、若い男性が降りていった。ニャロメッ!!(p.88)

(6) 東京は赤坂の高給料亭で、仕事の打ち上げをした。人数は六人ほど。店内にはその数以上の仲居さんたちが、粋な和服に身をつつみ、慌ただしく行きかっている。格式値段が高そうで少々ビビった。≫(p.149)

(7) いざ解約の手続きとなった時、担当の青年が言うではないか。「あのう、定期預金の解約の場合は手数料が三万円かかるんですね」それを聞いて、わたしはブチキレた。≫(p.179)

(8) そこまでしてくれれば、銀行の今回の狼藉はチャラにしよう。(p.183)

(9) 私は包み方がうまい。嫁に行ってからは姑に、手作りのものを人様に差し上げる時や、頂いた品物を泳がす時など、しばしば包装を頼まれた。(p.225)

(10) しげしげと店員の顔を穴の開くほど見つめ、直ぐに店を出た。〝何なの! その言葉遣いはっ!″と、一言「カマセ」なかったのは何が起こったのかわからなかったからだ。(p.229)

ことば美人は一生の得 (幻冬舎文庫)

ことば美人は一生の得 (幻冬舎文庫)

 

 

おきゃがれ! この本の書名が『ことば美人は一生の得』と言うのだから恐れ入る。 

 

「何なの! その言葉遣いはっ!」とは読者の心の言葉ですよ。

ひどいなあ。