[music] “Atomic Swing”, Count Basie
1957年〜1962年の間にニューヨークのキャピトルスタジオで録音された、
ベイシーの音源のコンピレーション盤。
よくある安易な初心者向けの寄せ集め的企画盤かと思いきや、
これが予想を裏切る佳作。
とにかく、リマスターによる音質が素晴らしい!
アナログ的な曖昧さは全くなく、
クリアーでヌケのよい音だが薄っぺらくはない。
クレジットをみると、
Remixed from the original three-track masters
in 1993 by MALCOLM ADDEY
Mastered by ODEA MURPHY using 20-bit Super Bit Mapping
とあり、この二人の尽力が大きいように思われる。
「Recording engineer : BOB ARNOLD」の貢献もあるのだろうか。
音楽について考えるとき、録音の知識がないことをいつも歯痒く思う。
演奏もいつもながらのベイシーサウンドで、もちろんサイコーだ。
時代的にはもちろんニュー・ベイシー、アレンジはニール・ヘフティ。
ゆったりとした「9:20 special」が入っているのが嬉しい。
ジャケットがベイシーのアホ・スナップなのも嬉しい。
個人的にはネスティコ時代のアレンジがたまらなく好きなのだけど、
ヘフティのアレンジもこうして改めて聴いてみるとよい。
しかし、やはりたまに聴くからいいのだろう。
ベイシーの音楽は飽き易いが、
特にヘフティのアレンジはその傾向が強いように思う。
それにしても、このコンピのタイトルが「atomic Swing」というのは
日本人として許せない。
大体、キノコ雲がジャケットの
「アトミック・ベイシー」にも腹が立っているのだ。
「E = MC2 = COUNT BASIE ORCHESTRA + NEAL HEFTI ARRANGEMENTS」って、
日本人は聴くなってことか?
さらに理解に苦しむのが邦盤のタイトルで、
「アトミック・ベイシー」ってなに?
このアルバムの正式名称は「BASIE」なはず。
そもそも、ヘフティのアレンジはベイシーの歴代のアレンジャーの中でも
最もおとなしくて可愛らしいものなのだ。
いまさらどうにもならないことだけど、どうにかならなかったのだろうか、と強く思う。
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