サイバラさんの母親日誌。
毎日新聞に連載されていた作品だが、
アル中気味の夫と、息子と娘との日常生活がいつも通りの絵で綴られている。
去年、『PLUTO』と『夕凪の街、桜の国』とともに、
自作の『上京ものがたり』とセットで手塚治虫賞をもらったのは記憶に新しい。
その時のコメントが、
「毎日新聞に連載しているこの作品に、朝日新聞社が主催するこの賞を与える
その英断に敬意を表したい」
だったのを思い出す。
作風としては、『晴れた日は学校を休んで』や『ぼくんち』、
『上京ものがたり』のような悲惨な生活を優しい視線で包む作風ではなく、
『まあじゃんほうろうき』や『恨ミシュラン』のような、
悲惨で下品な生活を悲惨で下品なまま露悪的に描く作風。
これはこれで楽しく読めるのだけれど、
ぼくは『ぼくんち』で「頭を鈍器で殴られたような」衝撃を受けたので
(月並みですか? でも真実です)、
どうしても『ぼくんち』のような、
達観したヒューマニズム的な作品を期待してしまうのです。
でも、手塚治虫賞が『上京ものがたり』と『毎日かあさん』に与えられたのは、
この二方向、両方あってのサイバラだ、という評価があるのだろう。
それはぼくもわかっているのだけれどね。
あと、サイバラさんは漫画の中では自分をあんなふうに描いてるけど、
本当はすごくキレイな人。
いや、見たことはないけど、写真で見るたびにそう思う。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2004/03/22
- メディア: 単行本
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