『事件の地平線』、とり・みき、筑摩書房

[漫画] 『事件の地平線』、とり・みき筑摩書房

「牛の首」のことがまだ気になっている。
「件の話」といったほうが世間的には話しが早いのかもしれない。
これについては以前このブログでも書いたが、結局真相ははっきりしない。
とり・みきの『事件の地平線』という本に、
この話について、研究、というか調査の成果が述べられていると聞いたので、
予約して購入した。
購入して驚いたのは、これが漫画本だということ。
大学生協で購入したのだが、仕入れた方も驚いたことだろう。


さて、肝心の「牛の首」についてだが、
作者の近しい人物及び読者からの投書を中心に、
少しずつデータが集められていく。
それによると、「クダン」とは一種の妖怪のようなもので、
戦前の日本にはわりとポピュラーな存在だったこと、
その姿はいわゆる牛頭人体のミノタウルス型ではなく、
人頭牛体が大多数だったこと、などがわかった。
予言の話は共通していた。
しかし、結局この生物についての真相ははっきりしない。
うーん……。
ただ、小松左京小泉八雲水木しげるの著作にも
「クダン」が言及されていることなどが述べられており、
それは勉強になった。


また、本書前半部の時事ニュースを若干シュールに、
しかし見開き2ページのエンターテイメントに仕上げる力量は素晴らしい。
吾妻ひでおとり・みきは、世代的にぼくと少々ズレている。
これまで読まなかったのをちょっと残念に思った。


事件の地平線

事件の地平線