『骨の音』、岩明均傑作集、講談社、一九九〇年



骨の音―骨の音 (モーニングKC)

骨の音―骨の音 (モーニングKC)

岩明均は、『寄生獣』の頃から一貫してファンである。
『七夕の国』はいまひとつ消化不良だった気がするけど、
ヒストリエ』は入念な準備をして臨んだのか、
壮大なスケールの作品で、まだまだ続きそうな勢いなので楽しみだ。


この『骨の音』は『寄生獣』以前の短編集で、
すでにこの時期にタッチが完成していることがわかる。
戦闘ものでも恋愛ものでもない、
サラリーマン受けしそうもない内容の漫画で、
繊細な人間心理の描写が光る。
寄生獣』が名作となった理由としてよく挙げられるのが、
「パラサイト」という生き物の発明
(そして何より、「ミギー」というキャラクターの創造!)だが、
この短編集にみられるような「人間に対する繊細なまなざし」も
重要な要素だと思う。


隠れた名作です。


…以上で終わりにするつもりだったけど、
新しく「新装版」が出てるみたいですね、
Amazonをみて知りました。


新装版 骨の音 (KCデラックス)

新装版 骨の音 (KCデラックス)



しかし、出版社が考えたのか、
Amazonの「商品の説明」に、

寄生獣への源流!

ってあるけど、
これは「寄生獣の源流」だけでいいんじゃないかな。
ちょっと日本語ヘンです。