当時の新進気鋭の邦画映画監督のインタビュー集。
この文庫の元となった、『映画愛 監督編』では、黒沢清、小松隆志、天願大介、山本政志、林海象のインタビューも収録されている。
竹中直人の父は役所勤務、共産党を支持し、労働組合の委員長もやっていた。
人とのコミュニケーションのとり方がわからず、気に入った人の真似ばかりしていた。
押井守と同じく、周防正行の父親も国鉄職員。
『変態家族・兄貴の嫁さん』を撮り、初号試写に蓮実重彦に手紙を出して招待する。
これが大絶賛され、『マルサの女』のメイキング監督に抜擢される。
周防 いや、僕は意見がぶつかった場合には編集マンの意見に従いますよ。
僕はそんな、自分が撮ったものに対するこだわりっていうのが、ほとんどないんですよ。
なぜかというと、これは最初から人に伝えようと思って撮っているわけですから。
それが伝わらないって言われたら、僕には根拠がないんですよ。
塚本晋也(日芸卒)
CFなどのプロダクション会社に勤めていた。
ラトーヤ・ジャクソンでニコンピカイチのCFを撮ったが、
いまひとつ面白くない出来だったため、すっぱりとやめて芝居のほうへ。
それにしても、松岡錠司の西村むつみの話は痛々しい。
これは「愛」というよりも「業」の世界です…。
こういう、現在第一線の監督の駆け出しの頃の話は面白いな〜。
そうそう、難波のツタヤのレンタル落ちコーナーで、
黒沢清の『神田川淫乱戦争』と井筒和幸の『暴行魔 真珠責め』を手に入れた。
これは掘り出し物だった!
やはり面倒くさがらずにパトロールは続けるものです。
シネマでヒーロー 監督篇―武藤起一インタヴュー集 (ちくま文庫)
- 作者: 武藤起一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1996/10
- メディア: 文庫
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